| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三十三話 恐竜帝国の最後

                    第三十三話 恐竜帝国の最後
 出撃準備を進めるロンド=ベル。だが一つ異変に気付いた。
「おい、武蔵は何処だ?」
 ふと甲児が言い出したのであった。
「武蔵!?そういえば見ないな」
 サンシローも異変に気付いた。
「まさか、な」
「いや、有り得るぞ」
 二人はそう言い合った。
「あいつにとっちゃ特別なことだからな」
「そうだな。だが一人にしちゃおけねえ」
「急ぐか」
 こうして彼等は出撃を速めた。そして次々に戦場に向かうのであった。

「叔父上」
 マシーンランドの前面を守るサンキがバットに声をかけてきた。
「どうした」
「こちらに近づいてくる敵がいるようです」
「フン、性懲りもなく。それで何機だ」
「一機です」
 ザンキはそう答えた。
「一機だと」
「ええ、それが何か」
「万策尽きて降伏にでも来たというのか。奴等にしては妙だ」
「それだけ我等の力に恐れをなしたということでしょう」
 ザンキは愉快そうにそう述べた。
「どちらにしろ我等の手に人質がいる以上勝利は揺るぎません。安心していいでしょう」
「そうだな」
「おっと、安心するのは速いぜ」
 そう言いながら一機のマシンが姿を現わした。ブラックゲッターである。
「巴武蔵か」
「そうさ、御前等を倒しに来てやったぜ」
 彼は自身を親指で指差してそう言った。
「そしてリョウ達を救い出すそこを開けろ!」
「フン、馬鹿め」
 だがバットはそれを一笑に伏した。
「開けろと言われてそうそう開ける者がいると思うか」
「なら無理にでも開けてやるさ」
 武蔵は意を決した目でそう答える。
「行くぜ、おいらの力を見せてやる。人間の土壇場の力ってやつをな」
「ならば来い。返り討ちにしてやる」
「おおよ、巴武蔵、一世一代の大勝負だ!」
「よし、かかれ!」
「待て、バットよ」
 しかしゴールの声がそれを止めた。
「帝王ゴール」
 ゴールの乗るグダが姿を現わした。ガレリィも一緒である。
「猿よ、よくぞ一匹でここまで来たな」
「そうさ、御前等を叩き潰す為にな!」
「その無謀なる勇気気に入った。ならばこのわし自らの手で倒してくれようぞ」
「できるのか、おめえに」
 武蔵はゴールを睨み据えた。
「爬虫類によ」
「見くびるなよ、猿よ」
 ゴールは臆することなくそう返した。
「こちらには切り札があるということを忘れるな。見よ!」
 そう言って右手を掲げた。それを合図として磔にかけられたゲッターロボGが姿を現わした。
「リョウ、隼人、弁慶」
 武蔵はそれを見て三人の名を呼んだ。
「待ってろよ、今救い出してやるからな」
「武蔵」
 竜馬が彼の名を呼んだ。
「一人で来たというのか」
「ああ、そうさ」
 武蔵はそれに答えた。
「こんな奴等おいら一人で充分だ。だから安心しろ」
「馬鹿な、これだけの数だぞ!」
「武蔵、死ぬ気か!」
 隼人も叫んだ。
「先輩、俺達のことはいいです!退いて下さい!」
「悪いけど死ぬつもりでここに来たんじゃないのさ」
 だが武蔵はここでニヤリと笑った。
「おめえ等を助け出して、そしてこの連中を潰す為に来たのさ。行くぞ!」
 気合を込める。そして突進した。黒い影が動く。
「ゴール、これがおいらの力だ!」
 そう言いながらゴールのグダに飛びついた。
「喰らえ、これがおいらの大雪山おろしだああああーーーーーーーーーーーっ!」
 大雪山おろしを仕掛けた。グダはそれで宙に舞った。だがそれでもゴールは健在であった。
「フン、その程度か」
「何っ!」
「貴様にはわしを倒すことはできん。いや、猿にはな」
「まだ言いやがるか!」
「フン、これ以上遊びに付き合うつもりはない。死ね!」
「おっと、そういうわけにはいかなくてね」
「誰だっ!」
「僕か?ヒーローってやつさ。悪を倒すヒーローさ」
「戯れ言を!」
「戯れ言を言うつもりはないんでね。それがこの証拠さ」
「何っ!」
 見れば磔が破壊されていた。そしてゲッターは救出されていた。
「おのれ、何奴!」
「聞け!」
 声がまた言った。
「世の為人の為恐竜帝国の野望を打ち砕くダイターン3!この日輪の輝きを怖れぬならばかかかって来い!」 
 そこにダイターンの雄姿があった。彼は空に誇らしく立っていたのであった。
「万丈!」
「武蔵、僕達も参戦させてもらうよ」
「しかし・・・・・・」
「しかしももしももないさ。僕達は仲間だろう?」
「あ、ああ」
「それ以上の理由はいらないさ。さあ、一緒に戦おう!」
「お、おう!」
 武蔵はそれに頷いた。こうして頼りになる男がまずは一人現われた。
「フン、ダイターンではわしには勝てん」
 しかしそれでもゴールは余裕であった。
「ゲッターを奪われたところで我等にはまだカードがあるのを忘れるな」
「へえどんなカードかな」
「とぼけるな、我等にはまだ人質がいるのだぞ。それを忘れたか」
「勿論覚えているさ」
 万丈は笑みを浮かべながら答えた。
「けれど彼等は今はもう御前のカードじゃない」
「何!?」
「俺達が救出したからだ!」
「貴様は!」
「宙さん!」
「ミッチー、来てくれたか!」
 ビッグシューターが姿を現わした。それと共にジーグが跳んだ。
「ビルドアップ!」
 叫ぶ。そして跳んだまま拳を打ち合わせた。宙の身体を稲妻が包みジーグの頭となる。
「鋼鉄・・・・・・ジーーーーグッ!」
 そして身体と合体する。そして宙は鋼鉄ジーグとなったのであった。
「鋼鉄ジーグか!」
「そうだ!人質は俺達が解放した!もう貴様に切り札はない!」
「俺達だと」
「そうだ」
 ここでまた声がした。
「御前等の相手は万丈さん達だけじゃねえんだよ!」
「俺達もいる!」
 五機のガンダムが姿を現わした。その中央には翼を持つガンダムがいた。
「貴様等も・・・・・・!」
「御前が武蔵さんに気をとられている間に俺達と宙さんで人質を救出したのだ」
「マグアナック隊の皆さん、有り難うございます」
「なぁに」
 カトルの周りに何十機ものマシンが展開していた。かなりの数であった。
「カトル様の為なら火の中水の中」
「男四十匹マグアナック隊、何処へでも行きますぜ!」
「おのれ!それで勝ったつもりか!」
「まさか。話はこれからさ」
「御前等の相手、俺達がしてやる!」
「フン、俺達といってもたかだかその数でか。笑わせるでない」
「ちょっと待ったあ」
 だが万丈がゴールのその言葉にクレームをつけてきた。
「ムッ!?」
「誰が僕達だけだって言ったんだい?」」
「どういうことだ」
「僕達は僕達だけじゃないってことさ。さあ皆、出番だ!」
「おう!」
 甲児の声が木霊した。そしてシカゴにロンド=ベルが一斉に姿を現わしたのであった。
「やいゴール!」
 甲児がゴールに対して言う。
「リョウ達の借り、きっちり返させてもらうぜ!」
「そうよ!人質まで使って。許さないわよ!」
 マリアも叫ぶ。彼女は兄にも声をかけた。
「兄さん、やるわよ!」
「勿論だ。ひかるさんもいいね」
「ええ」
「鉄也君も」
「無論」
 鉄也も頷いた。
「その為にここに来たんですからね。なあジュン」
「勿論よ、鉄也」
「さやかさんもだよな」
「当然でしょ。あんな卑怯な連中許しておけないわ」
「そういうことだ。行くぜゴール!徹底的にぶっ潰してやらあ!」
「おい兜!」
「ん!?」
 甲児はその声を聞いてふと立ち止まった。
「誰かいたか!」
「俺を忘れるなっての!」
「あ、ボスいたか!」
「マジンガーチームに俺は欠かせないだわさ!ヌケとムチャもな」
「そうそう」
「おいら達だっているんだよ」
「そういやそうだったな。じゃあ大介さんの足を引っ張らないようにな」
 彼等は大介の小隊にいる。甲児は鉄也とさやか、そしてジュンと共に小隊を組んでいる。同じマジンガーチームといえど小隊が違うのである。
「ヘン、大介さんは任せときなってんだ」
「そういうことでいいですか、大介さん」
「ああ、僕はいいけれど。じゃあボス、行こうか」
「あいよ。まあおいらの活躍を見ているだわさ」
「無理はしねえようにな」
「兜、御前はいちいち一言多いだわさ!」
 いささかコミカルなやりとりをしながらロンド=ベルもまた戦場に現われた。竜馬や万丈達はその間にゴールの側から離れ彼等と合流していた。
「貴様等には負けはせん!」
 ゴールがそう言うと恐竜帝国の大軍が一斉に姿を現わしてきた。
「どのみち貴様等はここで死ぬ!そしてこの地球は我が爬虫人類のものとなるのだ!」
「その言葉、ゲッターには届かん!」
 だが竜馬はそれを否定した。
「ゴール!巣から出たのが貴様の最後だ!」
 隼人もであった。彼等はゴールと対峙していた。
「ここで貴様等との決着をつける!覚悟しろ!」
「武蔵!」
 竜馬は今度は武蔵に声をかけてきた。
「何だ」
「礼を言うぞ。御前に助けられたのはこれで何回目かな」
「リョウ・・・・・・」
「フッ・・・・・・。今回ばかりは御前のガッツに脱帽だぜ」
「隼人・・・・・・」
「先輩の大雪山おろし、流石本家本元っすね!凄かったすよ!」
「弁慶・・・・・・馬鹿野郎が」
 武蔵の目に熱いものが宿っていた。
「そんなこと言ったらおいら照れちまうだろうが」
「けれどその通りネ」
 ジャックも言った。
「ミスター武蔵、ユーは立派なファイターデーーーース、それがミーが保障します」
「兄さんもたまにはいいこと言うのね」
「フフフフフ」
「何がおかしい」
 竜馬は笑うゴールに対して問うた。
「いいだろう。ならばここで決着をつけてやる」
「言われずとも!」
「猿共よ!我等は虫人類と貴様等はどのみちどちらかが滅ぶまで戦う宿命だ。ケリをつける!」
「悪いな、残念だがそうじゃねえんだ」
「何!?」
 答える甲児の声は何処か哀しみを帯びていた。
「どうあがいても手前等に未来はねえんだ」
「俺達はそれを未来で見てきたからな。これは紛れもない事実だ」
 鉄也も言った。彼等は未来の地球で恐竜帝国の滅亡を見てきたのである。
「それがどうした」
 しかしゴールはそれに取り合わなかった。
「貴様等猿が自分の未来を信じているようにわしもまた自身の帝国の未来を信じている」
 それが彼の考えであった。
「マグマの中で耐えた幾世紀!それを糧に我等は地上を席巻する!」
「まだ言うか!」
「そうよ、そして太陽を我等のものとするのだ!」
「もう一度言う、帝王ゴール!」
 竜馬はまた言った。
「その言葉、ゲッターには届かんとな!」
「それはわしが証明してやろう!かかれ、我が誇り高き兵士達よ!」
「ハッ!」
「地上を完全に我等が手にするのだ!」
 こうして最後の戦いがはじまった。まずはラドラとザンキが前に出て来た。ラドラはシグに、ザンキはゼンⅡに乗っていた。それぞれゲッターとブラックゲッターに向かう。
「キャプテン=ラドラ、貴様か!」
「そうだ!」
 彼は竜馬の問いに答えた。
「ここで貴様を倒し恐竜帝国の永遠の繁栄を手に入れる!覚悟しろ!」
「それが適わないというのにか!」
「それは今俺達が戦って切り開くことだ!」
 ラドラは言った。
「貴様を倒してな!」
「クッ!」
 かろうじてその爪を避けた。ゲッターは両手に斧を取り出した。そして立ち向かう。
「行くぞ!」
「来い!」
 ザンキはブラックゲッターに向かっていた。だが彼はその素早い動きに翻弄されていた。
「これがあのゲッターの動きか」
「こいつは只のゲッターじゃねえんだよ」
 武蔵は戸惑う彼に対してそう言った。
「影のゲッターだ。影の速さ、今見せてやる!」
「おのれ!」
 だがザンキは苦戦していた。バットは甥のふがいない戦いぶりに歯噛みしていた。
「あの馬鹿者が・・・・・・」
「バットよ」
 しかし彼にゴールが声をかけてきた。
「帝王」
「気持ちはわかる。だが迂闊に動いてはならんぞ」
「ハッ」
 その間にザンキは次第に押されていく。そして武蔵のブラックゲッターがその背に回り込んだ。
「何っ!」
「これで終わりだっ!」
 武蔵はザンキの身体を掴んだ。
「大雪山おろしだ!喰らいやがれっ!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
 ザンキのゼンが宙に舞う。そしてシカゴの大地に叩き付けられた。ゼンが爆発した。
「ぐわあああああああっ!」
 ザンキは逃げられなかった。その爆発に巻き込まれてしまったのだ。だが彼はゼンの残骸から出て来て最後にこう言った。
「俺はこんなところでは死なん・・・・・・。俺は将軍に・・・・・・」
 そう言って倒れた。そして爆発の中に消えた。
「そんなに将軍になりたきゃあの世でなれってんだ」
 武蔵はそんな彼に対して最後にそう言った。その横ではシグとゲッターの戦いも決着が着こうとしていた。
「シャィィィィィィィィィィィィィィィィィィンスパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァック!」
 ゲッターが飛翔した。その巨体を白い光が包む。そしてそのままシグに特攻したのだ。
 寸前で離れた。光だけがシグを襲う。そしてその身体を打ち据えた。
「グウウ・・・・・・」
 致命傷であった。シグにとってもラドラにとっても。だが彼はそれでも動じてはいなかった。
「これで終わりのようだな」
「キャプテン=ラドラ、見事だったぜ」
 竜馬は彼に対してそう言葉を贈った。
「俺は戦士だった。それが誇りだった」
 ラドラは言う。
「そして最後までその誇りを抱いて死ねる。これ以上の栄光はない」
「ラドラ・・・・・・」
「さらばだゲッターロボ!俺は最後まで誇りを抱いていられた!それこそが俺の栄光だ!」
 そして彼は死んだ。竜馬達はその爆発を見届けていた。
「立派な戦士だったな」
「ああ」
 竜馬は隼人の言葉に頷いた。
「キャプテン=ラドラ、御前のことは忘れない、絶対にな」
 誇り高き戦士が散った。だが戦いはまだ続いていた。彼等は互いの生存をかけて戦っていた。
「まだだ、まだ怯むな!」
 ゴールが全軍を叱咤する。彼等は雲霞の如き数でロンド=ベルに襲い掛かる。
「撃て!前面に火力を集中させよ!」
「はい!」
 ブライトも指示を下す。そして恐竜帝国のマシンを次々と薙ぎ倒していく。だが戦いはそれでも終わらなかった。
 三十分が経とうとしていた。ここで戦場に異変が起こった。
「ムッ!?」
 突如として両軍を得体の知れない何かが包んだ。そして次の瞬間には彼等は砂漠の様に荒涼とした場所に移動していた。
「これは・・・・・・」
「どうやら異空間のようです」
 ルリが言った。
「異空間」
「はい。誰かが私達の戦いをこちらに移動させたのでしょう。毒ガス攻撃を避ける為に」
「一体誰が」
「そこまではわかりませんが」
 ルリは表情を変えずに答えた。
「何か魔術めいたものを感じます。そうだとしたらかなりの魔力の持ち主が行ったものと思われます」
「あいつか!?」
 マサキをはじめ魔装機のパイロットの何人かは誰の仕業か察した。
 ルリは言葉を続けた。
「ここで決着をつけろということなのでしょう、その人物にとっては」
「まあ場所なんてどうでもいいけれどな」
 勝平が言った。
「要するにあのトカゲ共を全員倒せばいいんだろ。そうしたら帰れるんだよな」
「お待ち下さい」
 ルリが調べはじめた。
「調べたところ構造自体は単純です。勝平さんの言う通り目の前の敵を殆ど倒せば地上に戻れる仕組みになっているようです。上手くできていますね」
「あいつらしいぜ」
 マサキがそれを聞いて呟いた。
「俺達に相応しい場所を用意したつもりかよ。有り難くて涙が出らあ」
「ただ、今はそれについて言う場合ではないと思います」
 そんなマサキにルリの忠告が入った。
「後でゆっくりとそれについてもお話したいと思っています」
「わかったよ。じゃあそうするか」
「はい。まずは」
「目の前のあの連中を倒す。行くぞ皆!」
 竜馬が他の者にも声をかける。
「恐竜帝国、そして帝王ゴールを倒すぞ!」
「おお!」
「ふん、小癪な」
「帝王ゴールよ」
 バットとガレリィが前に出て来た。
「まずは我等にお任せを。必ずや奴等を屠って御覧に入れます」
「うむ、ではまずはそなた等に任せよう」
「ハッ」
「兵権を預ける。すぐに奴等を倒して参れ!」
「御意。哺乳類共よ」
 彼等はロンド=ベルを見据えた。その目は戦いに燃えていた。
「ここで貴様等を滅ぼす。覚悟はいいな!」
「ヘッ、やってみやがれってんだ!」
 甲児がそれに返す。
「このマジンガーはそう簡単にはやられりゃあしねえぜ!」
「俺もだ!」
 鉄也も続いた。
「グレートもいるということを忘れるな!」
「マジンガーだけじゃない。他にもいる」
 大介も言った。
「僕達の力は人類を背負っている。それを侮るな!」
「貴様等のことはもとより知っておる!」
 バットが言う。
「さからこそ戦うのだ。死ね!」
「死ぬのは手前等だ!」
「これで最後だ!グレートの力、地獄で語れ!」
「ぬうう!」
 両者はこの異空間にて最後の戦いをはじめた。ロンド=ベルはゲッター、そしてマジンガーチームを先頭に全面対決に入った。
 バットのグダにゲッターが向かっていた。ここで隼人が言った。
「リョウ」
「どうした、隼人」
「ここは俺に任せてくれないか。奴の弱点はわかっている」
「いけるのか、相手は空にいるが」
「ああ、大丈夫だ」
 隼人は自信に満ちた声でそう答えた。
「一撃で仕留めてみせる。いいか」
「わかった。じゃあ御前に任せる」
「よし」
「オーーーーーーーープンゲェェェェェェェェェェェェェーーーーーーーーーーット!」
 竜馬が叫ぶ。そしてゲッターが三つに分かれた。
「チェンジライガーーーーーースイッチオン!」
 隼人が叫ぶ。そしてまずはライガーが上に来、ベアーがそれに続く。最後にドラゴンが来た。
 三機のマシンが複雑な形になり合体する。そしてゲッターライガーとなった。
「行くぞ、バット!」
 ライガーがそのままグダに向かう。しかしバットはそんなライガーを見下ろして余裕の笑みを浮かべていた。
「死ねぃっ!」
 グダがミサイルを放つ。しかしそれはライガーに何なくかわされてしまった。
「真マッハスペシャル!」
 分身した。それで攻撃をかわしたのだ。
「おのれ!」
「フッ、ゲッターの動きを甘く見るなよ」
「それでも貴様はわしには勝てん!」
「どうしてかな」
 隼人は余裕に満ちた声で彼に尋ねてきた。
「それは貴様が地上にいるからだ」
「ほう」
「空にいるわしに勝てると思うか!勝つつもりならドラゴンで来るのだな」
「確かに空と陸ならば空が有利」
 隼人は言った。
「しかしそれはこの俺には通用しない!今それを見せてやる!」
「何っ!」
「チェーンアタック!」
 ライガーは左腕からチェーンを放ってきた。それでグダを捉える。
「行くぞっ!」
「ヌッ!」
「これがゲッターの戦い方だっ!」
「うおおおおおおおおおおおおっ!」
 チェーンを巻きつけたうえで振り回す。そしてグダにダメージを与えるのであった。
「まだだっ!」
 今度は跳んだ。空こそ飛ぶことはできないがかなりのジャンプ力であった。
「これで止めだっ!ドリルアタック!」
 右腕をドリルに変形させそれで貫いた。それでグダに止めをさしたのであった。
「バ、馬鹿なこのわしが」
 バットは破壊され炎に包まれようとするグダの艦橋において言っていた。
「一度ならず二度までも・・・・・・!」
「二度じゃない」
 しかし隼人はそんな彼に対して言った。
「貴様等が負けたのはこれで三度目だ」
「うわああああああああーーーーーーーーっ!」
 それが断末魔の叫びであった。バットは乗艦と運命を共にしたのであった。
「バット将軍、その最後見届けたぞ」
 ゴールはそれを見てそう呟いた。
「見事であった。だがガレリィよ」
「ハッ」
「バットの仇、そなたがとれ!よいな!」
「無論!」
 彼はそれに答えた。そして大空魔竜に向かった。
「ロンド=ベル!わしの力を見せてやる!」
「おいおい、こっちに来たのかよ」
 ピートはガレリィのグダがこちらに向かって来るのを見てそう言った。
「じゃあ相手をしてやるか。博士」
 そして大文字に顔を向けた。
「あれを使っていいですか」
「ピート君に任せる」
 彼はそう答えた。全てをピートに任せるつもりだった。信頼しているからこそである。
「了解。ジャイアントカッター用意!」
「ジャイアントカッター用意!」
 ミドリがそれを復唱して艦内に知らせる。
「総員衝撃に備えろ、いいな!」
「了解!」
 大空魔竜は腹から巨大な刃を出した。そしてそれでグダに突進した。
「これでえどうだっ!」
「ヌッ!」
 その巨大な刃がグダを両断した。真っ二つになりそれぞれ別々に大地に落ちる。
「認めん、認めんぞ!」
 ガレリィは落ちていく艦の中でそう叫んでいた。
「わしの科学力が猿共に負けただと・・・・・・。認めん、認めんぞおっ!」
 そして爆発の中に消えた。こうしてガレリィも戦死したのであった。
「科学力だけでは勝てはしない」
 ピートはモニターに映るグダの爆発を見てそう言った。
「これは戦争だ。戦争は科学力だけじゃないんだ」
「その言葉、覚えておくぞ」
「ああ」
 サコンにも応えた。こうして恐竜帝国の主立った者達は全て戦死したのであった。
 他の恐竜帝国の戦士達も次々に倒れていった。戦いは完全にロンド=ベルの勝利となりつつあった。竜馬はその中でゴールを呼んだ。
「ゴール、出て来い!」
 彼は叫んでいた。
「貴様の帝国は敗れようとしている。それでも貴様はまだ諦めないというのか!」
「フン、何故諦める必要があるのか」
 ゴールはそれに対してこう答えてきた。
「わしがいる限り恐竜帝国に敗北はない!何故ならわしこそが恐竜帝国最強の戦士だからだ!」
「何っ!」
「ラドラ、ザンキ、バット、ガレリィよ」
 彼はこの戦いで散った己が戦士達の名を呼んだ。
「貴様等の奮戦、無駄にはせぬ。今ここでわしが猿共に引導を渡してくれようぞ!」
「まさか帝王自身が出撃するってのか!?」
「どうやらそうらしいな」
 隼人が武蔵にそう答えた。
「出るぞ、化け物が」
「ああ」
「皆、気をつけろ!」
 竜馬が叫んだ。
「来るぞ、恐竜帝国の切り札が!」
「覚悟しろ猿共よ!」
 ゴールの声と共に地響きが聞こえてきた。
「わしの力今こそ見せてくれる!」
 巨大な戦艦が姿を現わした。二匹の巨大な竜の上に戦艦があった。恐ろしいまでに巨大な怪物であった。
「最強最後のメカザウルスダイ」
 ゴールは言った。
「倒せるものなら倒してみよ!」
「よく言ったわね!」
 ユリカがそれを聞いてすぐに攻撃に出た。
「ミサイル、バンバン撃っちゃって!」
「了解!」
 メグミがそれを聞いてすぐにミサイルのボタンを押す。ナデシコの前面からミサイルが一斉に放たれダイに襲い掛かる。そして直撃した。
「これでどうかしら」
「今何かしたか?猿の女よ」
「なっ、猿ですってええ!?」
 ユリカはそれを聞いて顔を顰めさせた。
「私の何処が猿だっていうのよ!こんな美人を捕まえて!」
「わしにとっては貴様等なぞ同じだ。猿に過ぎない」
「そういえばそうだな」
 ノインがそれを聞いて呟いた。
「ノインさん、それどういう意味だよ」
「リョーコも私も彼から見たら同じだということだ。種族が同じなのだから」
「種族!?」
「そうだ」
 ノインは答えた。
「彼等は爬虫類から生まれた。私達とは根本的に違うのだ」
「じゃあ俺とノインさんもあいつから見れば同じだってんだな」
「そういうことになるな」
「何かピンとこねえな。どういうことなんだか」
「フン、猿は猿だということだ」
 ゴールはそれに答えた。
「それ以上どう説明する必要があるのだ。だからこそ我等は戦うのだ」
 ダイはほぼ無傷であった。ナデシコのミサイルを以ってしてもダメージは殆ど与えられていなかった。
「貴様等が滅ぶか、我等が滅ぶかだ。妥協はない」
「その通りだな」
 それに武蔵が頷いた。
「だからおいら達も退くわけにはいかねえんだ。そうだろ、ゴールよ」
「わかっておるようだな」
「だからこそ貴様をそのデカブツごと沈めてやる!覚悟しやがれ!」
「フン、猿にわしを倒せるか!」
「やってやらあ!」
 他の敵はほぼ倒し終えていた。後はゴールのダイだけであった。ロンド=ベルは彼に火力を集中させてきた。
 無数のミサイルやビームがダイを打ち据える。しかしそれでもダイは立っていた。
「フフフフフフフフフ」
「馬鹿な、殆どダメージを受けていないだと」
「化け物か」
 ブライトとアムロもそれを見て驚いていた。
「この程度でわしを倒すとは片腹痛い」
「ならこれでどうだっ!」 
 それを聞いて激昂した忍が攻撃に移った。
「行くぜ亮!」
「わかった!」
「断空砲フォーメーション、受けやがれ!」
 断空砲を放った。それでダイを粉砕するつもりだったのだ。そしてそれは直撃した。
「やったか!?」
「今何かしたか?」
 しかしゴールのそれまでと変わらぬ声が返ってきただけであった。やはりダイは立っていた。
「ダンクーガの攻撃を何ともしねえだと!?」
「どういうことだ」
「貴様等にわしは倒せんということだ」
 ゴールはそう言葉を返した。
「今度はこちらから行こう。覚悟はいいな」
 そして砲撃を開始した。無数の砲弾がロンド=ベルを打ち据えた。
「クッ、損害状況を報告しろ!」
 ラー=カイラムも直撃を受けていた。ブライトは衝撃にも耐えながら周りの者に対して言った。
「直撃弾二つ!ですが戦闘に影響はありません!」
「そうか、不幸中の幸いだな」
「いえ、そうも言えません」
 だがここでルリがモニターに出て来た。
「どういうことだ」
「今までの戦闘、そして先程のダイの攻撃による衝動でこの異空間に歪が生じております」
「何っ!?」
「それによりこの場所での戦闘が不可能になりつつあります」
「何ということだ・・・・・・」
 ブライトだけではなかった。他の者もそれを聞いて呻いた。
「そしてこの空間が収束しつつあるのですが」
「じゃあ俺達はここで閉じ込められて押し潰されるってのかの!」
「じゃあ負けたのと同じじゃねえか」
「いえ、それは違います」 
 しかしルリはそれを否定した。
「脱出は可能です。私が脱出路を発見しました」
「それは何処だ」
「すぐ後ろです」
「後ろ!?」
「はい。後方に向けて退けばここから脱出することが可能です」
「それは本当なんだな」
「はい」
 ルリはブライトの言葉に頷いた。
「如何為されますか、ブライト大佐」
「ううむ」
 彼はそれを受けて考え込んだ。
「最早恐竜帝国はあの巨大な戦艦だけだ」
「はい」
「戦力はなくなったと見るべきだな」
「わかりました。それでは」
「いや、それは違う」
 しかし竜馬がそれにクレームをつけてきた。
「竜馬」
「あいつがいる限り恐竜帝国は何度でも甦る。あいつを倒さないと何にもならない」
「そうだ、リョウの言う通りだ」
「隼人さん」
「ルリも大佐もよく聞いてくれ。ここは俺達に任せてくれ」
「どういうことだ」
「ここは俺達が引き受ける。あいつは何としても俺達が倒す」
「馬鹿な、我々の一斉攻撃を受けても倒れない相手だぞ。御前達だけで何ができる」
「ゲッターならやれる」
「ゲッターの」
「そうさ。このゲッターロボの力を見くびってもらっては困る」
「それは俺達が一番よくわかっている」
「だから安心してくれ。ゴールを倒して絶対戻ってくるからな」
「竜馬、隼人、弁慶」
 ブライトはここで彼等の名を呼んだ。
「宜しいのですね」
「そうじゃなかったらわざわざ俺達の方から言ったりはしない」
 ルリには隼人が答えた。
「心配はいらないぜ。何なら戦勝にビールでもかける準備をしてくれ」
「おい、御前達は未成年だぞ」
 アムロがそれを聞いて苦笑した。
「幾ら何でもビールはまずいだろう」
「じゃあコーラでいいさ」
 武蔵がそれに応えた。
「武蔵」
「御前も残るつもりか」
「当然だろ」
 彼は三人に対してそう言った。
「おいら達は同じゲッターチームだろ。一緒に戦うのは当然だ」
「しかし」
「生きて帰るんだろ、リョウ」
「あ、ああ」
 竜馬はそう問われて答えるしかなかった。
「さっき言ったよな、生きて帰るって」
「そうだったな」
「じゃあ問題はないな。行くぞ」
「ああ」
「無茶はするなよ」
「隼人、御前こそな」
「先輩も」
「弁慶、御前は自分の心配をしな」
 そんなやりとりをしながら彼等はその場に残った。そして撤退をはじめる仲間達に対して言った。
「すぐに帰って来るからな」
「おう、待ってるぜ」
 それに対して甲児が言葉を返した。そしてロンド=ベルは異空間から離脱した。後には二機のゲッターとゴールのダイだけが残った。
「フン、最後に残ったのはやはり貴様等か」
「そうさ、御前を倒す為にな」
 竜馬が彼に応える。
「ゴール、覚悟しろ。今度こそ御前を倒す」
「できるのか、貴様等に」
「この世に沈まない戦艦なぞ存在しない」
 隼人がゴールに対してそう言った。
「今それを御前に見せてやる」
「ああ、ここには海はないがな」
 弁慶も続く。
「沈めてやる。覚悟しろ」
「フン、ならば沈めてもらおう」
 ゴールは不敵に笑った。
「このわしを、そして恐竜帝国をな!猿共よ!」
「その猿でもな」
 竜馬はそう言いながらゲッタードラゴンを構えさせた。
「退けない時、負けられない時がある!それは今だ!」
 そして跳んだ。ブラックゲッターもそれに続く。
「行くぞ、隼人、弁慶、武蔵!」
「おう!」
「いいぜ!」
「来い!」
「ダブルゲッタァァァァァァァァァァァァァビィィィィィィィィィィィィィィィィィィイーーーーーーーーーッム!」
 ゲッタードラゴンとブラックゲッターが同時にビームを放つ。そしてそれがダイの艦橋を直撃した。
「うおおおおおおおおおっ!」
 それでダイの動きが止まった。だがゲッターの攻撃はまだ続いていた。
「これで止めだっ!」
 ドラゴンは飛翔した。そしてその全身にあの白い光を身に纏った。
「シャィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンスパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァック!」
 ダイに特攻する。そしてその白い光をぶつけた。
「どうだっ!」
「ぬうううううううううううっ!」
 これによりさしものダイも動きを止めた。流石にこれで動けるとは誰も思わなかった。ダイの巨体のあちこちから火が噴き出しはじめた。
「まさかこのわしが二度も敗れるとはな。いや、三度か」
「そうだ、三度だ」
 隼人がそれに答える。
「これでわかっただろう。御前達が敗れるのが運命だということをな」
「フン、確かにな」
 ゴールは遂にそれを認めた。
「わしの負けだ。それは認めよう。だがな」
「だがな・・・・・・。何だ!?」
 竜馬達は彼の言葉に不吉なものを感じていた。
「わしは死ぬ、だがそれは帝王としての死だ!ゲッターチームよ!」
 彼は竜馬達を見据えた。
「わし一人では死なぬ!貴様等も道連れだっ!」
「何だとっ!」
 ダイは断末魔の叫び声をあげながら突っ込んできた。そしてそのままゲッターに襲い掛かる。
「死ねぃっ!」
「おいリョウ、避けようぜ!」
 咄嗟に弁慶が言う。だが彼は動かなかった。
「駄目だ」
「何でだよ。俺達は勝ったんだ。これ以上あいつと付き合っても何にもならねえだろ」
「本来ならな。だがあいつが爆発したらどうなる」
「どうなるって・・・・・・」
「あれだけの巨体だ。必ずシカゴに影響が出る。そうなったら何の意味もない」
「そうか、そうだったな」
 弁慶もそれを聞いて事情を理解した。
「ここで食い止める。最後にあいつを完全に叩き潰してな」
「そういうことなら付き合うぜ」
「隼人」
「ゲッターの力ならな。そして絶対にあいつ等にコーラをおごらせるぞ」
「おい、コーラかよ」
「何ならジンジャエールでもいいか」
「まあそれでもいいさ」
「フフフ、ゲッターの力か」
 ゴールはそれを聞いて面白そうに笑った。死相が現われたその顔に凄みのある笑みが走った。
「貴様等もゲッター線に取り付かれなかったならばな。ここで死なずに済んだものを」
「何っ!?」
 それを聞いた四人は断末魔のゴールに顔を向けた。
「それはどういう意味だ」
「貴様等はゲッター線の真の恐ろしさを理解しておらん」
「何が言いたい」
「真の恐ろしさだと」
「あれは生物に進化だけでなく滅亡をもたらすエネルギーなのだ」
 ゴールは最後の気力を振り絞るようにして言った。
「我等はゲッターにより滅ぼされ、貴様等は進化した。それが何よりの証拠ではないのか」
「出鱈目を言うなってんだ!」
 武蔵がたまりかねたように叫んだ。
「ゲッター線がおいら達に滅亡をもたらすっていうのかよ!」
「そうだ」
 ゴールは毅然として言い返した。死に瀕しているとはいえそれは帝王の顔であった。
「我等がマグマの中に逃げ込まねばならなかったのが何よりの証拠ではないのか」
「それは・・・・・・」
「貴様等はゲッター線に選ばれただけ・・・・・・。いや、取り付かれただけなのだ。そして貴様等より優秀な種族が出ればゲッター線は・・・・・・」
 ゴールは言葉を続けた。
「貴様等を滅ぼすだろう」
「違う!」
 竜馬は半ばムキになってゴールの言葉を拒絶した。
「俺達の未来はゲッター線と共にある!」
「あくまでそう信じたいか」
「俺はそう信じる!貴様とは違う!」
「フン、そうか。ならばよい」
 ゴールはそれ以上言おうとはしなかった。かわりにダイの動きを速めさせた。
「そのゲッター線を信じて死ぬがいい、猿共よ!」
「クッ、行くぞ!」
「おう!」
 三人が決死の特攻を試みようとする。だがそれより前に武蔵のブラックゲッターが出ていた。
「武蔵!?」
「リョウ、こいつは俺の獲物だ!そうだろ!?」
 そう言いながら突っ込む。黒い影が今風となっていた。
「おいらに任せろ!御前等は先に逃げろ!」
「馬鹿な、死ぬ気か!」
「武蔵、死ぬ時は一緒だと誓った筈だぞ!」
「馬鹿野郎!誰が死ぬと言った!」
「何っ!?」
 一喝された隼人が黙ってしまった。
「さっき生きて帰るって言っただろうが!御前達はおいらのでっかい金星を皆に伝えてもらう為に先に行ってもらうんだよ!そんなのこともわからねえのか!」
「先輩・・・・・・!」
「いいか!三人共速く行け!そして宴会の準備をしてくれ!」
「・・・・・・わかった」
「リョウ!」
 それを聞いて隼人と弁慶が驚きの声をあげた。
「いいのか!」
「先輩は・・・・・・!」
「武蔵、御前にはとびきりの御馳走を用意しておいてやるからな」
「ああ、頼むぜ」
 武蔵はそう言って笑った。
「寿司がいいな。それも鮪のトロを」
「ああ、好きなだけ食べろ。他にも置いておくからな」
「四人でな。帰ったら思う存分食おうぜ」
「ああ、そうだな」
 隼人も言った。
「今度ばかりはな。体重なんか気にせずたっぷり食おう」
「俺も食わせてもらいますよ」
 弁慶までもそう言った。
「俺も寿司好きですから」
「おいおい、寿司以外ねえのかよ。他にもあるだろうが」
「そうだな。一杯ある」
「一緒にな、たっぷりと食おうぜ」
「四人で。いいですね、先輩」
「そうさ。ミチルさんも一緒にな。いいな、皆」
「ああ」
 最後に竜馬が頷いた。
「ミチルさんも待っている。だから戻って来いよ、武蔵」
「おう、じゃあな!」
「待ってるぞ!」
 こうしてゲッターも戦場を去った。ブラックゲッターはそのままダイに突っ込んで行く。
「一匹で・・・・・・死ぬつもりか!」
「死ぬのは手前だ!おいらは生きる!」
 彼はゲッター線の出力を暴走させた。ブラックゲッターが緑色に光った。
「これが貴様等の恐れていたゲッター線だ!とくと浴びやがれ!」
 武蔵の身体も緑色に輝いていた。そして緑の流星となり特攻する。
「死にやがれーーーーーーーーーーーーっ!」
「うおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーっ!」
「リョウ、隼人、弁慶」
 ダイが爆発する。ゴールはその中に飲み込まれていった。武蔵はその爆発の中で一人呟いていた。
「後のことは任せたぜーーーーーーーっ!」
「お待ちなさい」
 だがそこで声がした。
「誰だ!?」
「私の声に聞き覚えはありませんか」
 そして青いマシンが姿を現わした。グランゾンであった。
「グランゾン・・・・・・ってことは」
「ええ。巴武蔵、貴方を迎えに来ました」
 シュウは何かを含んだようないつもの笑みでそう答えた。
「貴方はまだここで死ぬべきではありませんから」
「おい、もう手遅れだろうが」
「手遅れ!?何がですか」
「もうすぐダイの爆発でここは吹き飛ぶんだ。それで何で御前まで死ぬ必要があるんだよ」
「これはまた御冗談を」
「冗談!?」
「はい。私は死にませんよ」
 シュウは笑ったままそう答えた。
「そして貴方もね」
「どうするつもりなんだよ」
「こうするのです」
 シュウはそう言うと何かを発動させた。
「!?」
「このグランゾンは色々と隠された能力がありましてね」
「ネオ=グランゾンもそうなのかよ」
「ほう、これは話が早い」
「で、どうするんだ?ここでまさかそれに変身するのかよ」
「まさか。そうするまでもありません」
「じゃあどうするんだ?」
「ネオ=ドライブ=システムを使います」
「何だそりゃ」
「話すと長くなります。それでは」
 そう言いながらブラックゲッターを掴んだ。そしてそのネオ=ドライブ=システムを発動させた。
「行きますよ」
「おい、ちょっと待てよ」
 そんな話をしている間にシュウと武蔵の姿は消えた。そしてダイの爆発だけが残った。これが恐竜帝国の最後であった。

 ロンド=ベルはシカゴを離れ南に下っていた。そしてそこでシカゴに関して調査を続けていた。
「異空間において爆発が確認されました」
「そうか」
 大文字はミドリの報告を聞き頷いた。
「彼等が無事だとよいのだが」
「レーダーに反応です」
 そこでミドリがまた言った。
「これは・・・・・・ゲッターのものです」
「おお」
 それを聞いた大文字が思わず声をあげた。普段の冷静さはなく喜びの声であった。
「それは本当かね、ミドリ君」
「はい、ゲッタードラゴンです。彼等は無事です」
「そうか、それは何よりだ」
「ただ」
「ただ・・・・・・どうかしたのかね」
 ミドリの声が暗くなったのに不吉なものを感じた。
「一機だけなのですが」
「・・・・・・・・・」
 その言葉の意味はわかっていた。大文字も表情を曇らせた。
「皆、待たせたな」
 やがて大空魔竜に着艦した竜馬が出迎えてきた仲間達にそう声をかけた。
「心配させやがってよ」
 甲児が笑顔で悪態をついていた。
「これで死んでたらどうするつもりだったんだよ。ヒーローになるのはおめえだけじゃねえんだぞ」
「ははは、済まない」
 隼人が珍しく笑った。
「ただな、あの時はああするしかなかったからな」
「ああ、わかってるさ。よく戻ってきたな」
「有り難うよ、甲児」
「だがそうもばかり言ってはいられないようだな」
 弁慶の言葉が終わるとピートがそう述べた。
「武蔵はどうしたんだ。一緒じゃなかったのか」
「それは・・・・・・」
 三人はその問いに表情を暗くさせた。
「あいつは一人で戦場に残った。そしてダイを・・・・・・」
「そうか」
「生きていると思いたいがな」
「おい、何辛気臭えこと言ってるんだよ」
 それを聞いて甲児がまた言った。
「あいつがそう簡単に死ぬわけねえだろ、安心しろよ」
「甲児・・・・・・」
「今にも戻って来るんじゃねえのか?そこによ」
「甲児君、気持ちはわかるが」
 そんな彼を大介が嗜めようとする。
「僕達は戦っているんだ。犠牲もまた」
「大介さんまでそう言うのかよ」
 甲児はこの時意地になっていた。
「俺は信じてるぜ、あいつを。ほら、今にもここに」
「甲児君・・・・・・」
「来るんだよ、だから待とうぜ」
 だがブラックゲッターは姿を現わさない。誰もが悲しい顔になった。
「戦いには勝ったが」
 神宮寺が言った。
「犠牲はあまりにも大きいものでしたね」
「おい、麗さんまでそう言うのかよ」
 甲児がそれにくってかかった。
「そんな筈ねえだろ、あいつは絶対・・・・・・」
「甲児・・・・・・」
 今度は竜馬達三人が彼に声をかけた。
「有り難う。けれど・・・・・・」
「御前等までそんなこと言うのかよ」
「気持ちは有り難いがな。あいつは・・・・・・」
「先輩・・・・・・」
「それ以上は言わない方がいいわ」
 そんな三人をフォウが慰めた。
「それ以上言うと」
「フォウ・・・・・・」
「二度と会えなくなるかも」
「いえ、それは違うよ」
 ヒメが言った。
「ヒメちゃん」
「武蔵さんね、こっちに戻って来るよ、絶対」
「そう思いたいけれどな」
「ううん、本当だよ。だって武蔵さんの心私に届いたから」
「心!?」
「そうだよ。武蔵さん今こっちに来てる。青いマシンに助けられて」
「青いマシン」
 それを聞いてマサキ達がすぐに反応した。
「またあいつか」
「一体どういうつもりだ」
「その人がね、武蔵さんを助けてくれたよ。もうすぐ武蔵さんこっちに来る」
「そうなのか」
 それを聞いた竜馬達の顔が晴れやかになった。
「武蔵は生きているんだな、ヒメちゃん」
「うん」
 ヒメは頷いた。
「ほら、こっちに来るよ」
 遠くから黒い影が姿を現わした。
「武蔵さーーーーーーん、お帰りーーーーーーーっ!」
 ブラックゲッターが入って来た。満身創痍ながら武蔵は仲間達の前に姿を現わした。そしてそのまま病室に運び込まれたのであった。
「傷は深いがな。とりあえずは無事だ」
 サコンはロンド=ベルの面々にそう説明した。
「命に別状はない。ブラックゲッターもダメージは酷いが修復が可能だ」
「そうか」
 竜馬達はそれを聞いて笑みを作った。
「じゃあ心配はいらないんだな」
「そうだな。だが戦いは今は無理だ。あの傷ではな」
「そうか。それは仕方ないな」
「だがまた戦えるんだな」
「あいつとブラックゲッターが回復したならな。だがそれは少し先だ」
「わかった」
「今は生きているだけで安心だ。心配させやがって」
「そうだな、全く」
 そうは言いながらも皆笑顔であった。やはり仲間の無事が嬉しいのだ。
 彼等は口々に喜びの声をあげる。そしてそれが終わった時大文字が入って来た。
「皆武蔵君の無事が嬉しいようだな」
「ええ」
 皆当然であるようにそれに頷いた。
「彼も無事で恐竜帝国も完全に滅んだ。これで我々の敵が一つ滅んだ」
「はい」
「だが敵が完全にいなくなったわけではない」
 大文字は顔と声を引き締めさせた。
「戦いはまだ続く。今極東支部よりまた連絡が入った」
「何と」
「すぐに戻ってきて欲しいとのことだ。バウドラゴンが行動を活発化させるという情報が入ったそうだ」
「バウドラゴンが」
「そしてラストガーディアンからも要請があった。すぐに日本に来て欲しいとな」
「何かありそうだな」
 そこまで聞いた京四郎が考え込みながらそう述べた。
「今までラストガーディアンは俺達とは独自の行動をとってきた。それが何故今」
「あの銀色のマシンと関係があるとみていいわね」
 ミサトが顎に手をあてながらそう言った。
「あそこの長官の沖って人は昔から色々と噂のある人だし」
「つまり謎の男ってわけだな」
「けれどそういう奴に限って大したことなかったりして」
 キリーとレミーが軽い声をあげた。
「しかしゼオライマーが関係しているとなれば話は別だな」
「真吾の言う通りだな」
 一矢も言った。
「どちらにしろバウドラゴンも何とかしなくちゃいけない」
「行くしかないってことかよ」
「そうだな。色々と謎は多いが」
 甲児に対して京四郎が答えた。
「虎穴に入らずば虎子を得ず、というやつだ」
「それでは決まりだな」
 大文字は京四郎の言葉を聞いた後でそう述べた。
「日本に向かおう。そしてバウドラゴンとの戦いを終わらせる」
「はい」
 こうしてロンド=ベルはシカゴの戦いの勝利と武蔵の生還を喜ぶ暇もなく日本に向かうのであった。そして次の戦場に身を置いた。


第三十三話   完


                                 2005・7・21

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧