スーパー戦隊総決戦
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第十七話 決戦の場へその二
「実際俺も店から追い出そうと思ったんだけれどな」
「私もよ」
「僕も」
走と麗、範人の言葉だ。
「他の人の迷惑だったしね」
「お店の中で怒鳴り散らしてね」
「許せないからね、そういうの」
「けれどな、止める前だったしな」
十蔵が動いたのは速かったのだ。動いてすぐだったのだ。
「居合でばっさり」
「それで終わり」
「そうだったから」
こんなことを話していた。十蔵は確かにやり過ぎだったが何と悪を懲らしてめていた。そうした腐敗した権力者に制裁を加えたのである。
その彼にしてもだ。こう話すのだった。
「そろそろかな」
「そうよね」
「あの王様が来て」
「それで」
こう話してであった。これからのことを見守るのだった。
すぐに湖の上に彼が出て来た。あの槍を持った彼がだ。
パルジファルはまず彼等を見回した。そのうえで言うのだった。
「皆集まっているな」
「見ての通りだ」
壬琴が応えた。
「俺もこうしてここにいる」
「そうだな」
「御覧の有様よ」
「有様よ」
ナイとメアはここで何故かこう言った。
「こうして皆いるわよ」
「いるわよ」
「わかった」
パルジファルはここまで聞いて頷いた。
「それならだ」
「いよいよ神戸に」
「遂に」
「そうだ、来てもらう」
厳かな声で一同に告げた。
「今からだ」
「よし、それなら」
「覚悟を決めて」
「覚悟は決めなくていい」
それはいいというのだ。
「別にそこまでのことではない」
「あれっ、そうなんですか!?」
「けれどかなり物々しいですけれど」
「まずは神戸に来てもらうだけだ」
それだけだというのだ。
「確かに戦いはあるがだ。その前の段階だ」
「神戸に移る」
「それだけだからですか」
「そうだ。私の術で来てもらう」
このことを告げる。
「いいな、それではだ」
「ええ、じゃあ」
「いざ神戸に」
こう話してだった。皆まずは動きを止めた。パルジファルの槍がゆっくりと動きだ。そうしてそのうえで槍が円を描くとであった。
彼等がいたのは港だった。汽笛の音が聞こえてきて目の前には多くの巨大な船がある。後ろには無数の倉庫が立ち並んでいて潮の匂いがする。そこは。
「海か」
「そうよね」
「ってことは」
「ここは」
そこから導き出される答えは一つしかなかった。
「神戸に着いたんだ」
「本当に」
「一瞬で」
「それではだ」
そしてだ。海の上にも彼はいた。パルジファルがだ。
「ここでの戦いがはじまるな」
「そうだな、遂に」
「どちらが聖杯を手に入れるかどうか」
「その戦いね」
「勝つぜ、おい!」
今言ったのは走輔だった。
「絶対にだ!」
「そうでおじゃるな。汽笛を聞きながらの戦いというのも」
ケガレシアは満足そうに話してみせる。
「風情があっていいものでおじゃる」
「それにここの海は結構汚いなり」
「そうしたところで戦うことこそいいものぞよ」
ヨゴシュタインとキタネイダスも乗り気だった。こうしてだ。
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