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スーパー戦隊総決戦

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第十七話 決戦の場へその一

                               決戦の場へ 
 滋賀で一日を過ごした。そうしてだ。
 今彼等は琵琶湖のほとりに立っていた。前には白い水面が見える。日の光を反射してその色になっている。
 その水面を見ながらだ。皆で話すのだった。
「それにしても昨日なあ」
「そうそう、あの黒いスーツでオールバックの客」
「新聞記者だったらしいけれど」
 皆忌々しげに話している。昨日のことをだ。
「他の人が食べてる中でまずい、この店は駄目だとか怒鳴り散らして」
「迷惑っていうかな」
「人として最低ね」
 こう話すのだった。
「それで黙れってお客さんが言ったらこんなものを食って満足しているのかって逆キレして」
「しかもヤクザみたいな警官まで呼んできて」
「何だったのかしらね」
「気にすることはない」
 だがここで十蔵が言った。
「あの者達はもういない」
「御主も極端なことをしたのう」
 シタリがその十蔵に対して声をかけた。
「また随分と」
「そうか」
「いきなり刀を抜いて首を切ったからのう」
「しかも二人共だったからね」
 薄皮太夫もそれを言う。
「もう容赦なくだったね」
「下衆に情け容赦はかけはしない」
 十蔵の言葉はここでも素っ気無い。まるで道の石を蹴ったかのようだ。
「所詮はな」
「所詮はか」
「そうなの」
「そうだ、ああした連中は生きていては駄目だ」
 こんなことも言うのだった。
「だからだ。切った」
「首が飛んだけれど」
「しかもあの男と刑事の一派全員」
「気にすることはない」
 やはりこれで済ませるのだった。
「屑が何匹か消えただけだ」
「僕はまあ摘み出すだけで終わらせようと思ったんだけれどね」
 ボンバーはその考えだったのだ。
「けれど。いきなり刀抜いたからね」
「まあ一発殴ってそれで終わりだよな」
 スモーキーもそれだけで終わらせるつもりだったのだ。
 しかし十蔵はだ。何とその首を切ってしまったのだ。容赦なくだ。
「普通はな」
「安心しろ。切ったことは切った」
 それはしたというのだ。
「しかしだ」
「しかし?」
「それで?」
「一日立てば蘇る」
 そうだというのだ。
「そうだな、ロンよ」
「はい。まあ懲りることは懲りるでしょう」
 そのロンが静かに話した。
「死んでもなおらないという人もいますが」
「そういう手合いじゃないのかな、あの記者」
「そうだよな」
 皆そう見ていた。
「ロンが人を蘇らせる術を知っているからよかったけれど」
「それでもねえ」
「流石にあの時はびっくりしたし」
 十蔵のその行動についてまた話すのだった。
「そこまで頭に来たんだ」
「やっぱり」
「ああした連中こそ本当の外道だ」
 十蔵はその記者達についてまた話した。
「記者だからといってやりたい放題していいことはない」
「最初ヤクザかゴロツキだって思ったけれど」
「新聞記者だったしね」
「それがね」
 このことをまた話すのだった。
 
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