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風と雲の継承者

作者:蒼鈴六花
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08 マグニス―みくだすものたち―

 
前書き
なんか、前の話が不評?っぽいので少し書き方を変えてみました。
まあ、今までのは読み辛いし、焦ってた感じもする文章だったし……改善できたのか?
 
注意:今回、召喚獣が喋ります。

とりあえず最新話どうぞ。

 

 
「子を思う親……か……」

ロイドとコレットがドアの事を話していた。
子の無事を願わない親なんているはずないとコレットは言っていた。

「なぁ、風の親はどんな人なんだ?」

俺の呟きが聞こえたのかロイドが話しかけてくる。

「分からない……」

「分からない?覚えてないじゃなくて?」

ジー二アスが質問してくる。

「生まれた時に親はいなかった」

「どう言う事だ?」

ロイドが首を傾げる。

「そのまま。この世界に生まれた時、親はいなかった。召喚獣達はいたが……」

「召喚獣が親って事?」

ジー二アスの言葉を聞いてイヴが姿を現す。

『違うわよ。本来風と私達召喚獣は主従関係。だけどこいつはそれを嫌がって家族になったの』

「風はイヴ達の事、とっても大切に思っているもんね!」

コレットがそう言い俺は頷くとイヴは顔を真っ赤にした。

『あ、あああ、あんた達ね!こんな人のいる所でそんな恥ずかしい事言わないで!そ、それに……大切に思われてる事くらい……わかってるわよ……』

最後の方はどんどん声が小さくなって聞こえなかった。
もじもじとしていたイヴは、はっとなり。

『と、とにかく!恥ずかしい事言わないで!わかった?』

「恥ずかしい事だったの?ごめんね。気付かなくて……」

落ち込むコレット。

『謝って欲しいわけじゃなくて、ああもう、そんな落ち込まないでよ。私が悪かったわ……』

結局何の話だったか分からなくなってしまったが、重たかった空気は少し和らいだ。
そして俺達は人間牧場に向かう。



人間牧場前。

ニールと合流する。ニールは俺達の顔を見て大体察したようだ。
とりあえず侵入できそうな場所を探し、ドアから教えてもらった暗証番号で中に入ることに成功。

途中、ソーサラーリングが変化したり捕まった人達を発見してニールが残ったりした。

そして進んだ先にショコラを見つける。
ショコラはディザイアンに襲われかけていた。

「アルマ」

「キュ!」

素早くアルマが飛び出しショコラとディザイアンの間に入り、ディザイアンの攻撃を防ぐ。

「ナイス!アルマ!」

「そのままショコラを頼んだぜ!」

「キュウ!」

ロイドとジー二アスの声にアルマは嬉しそうに答える。

「今のうちに行くぞ!」

クラトスの言葉が戦闘の合図となり、戦いは始まった。

相手は普通の鞭使いとボウガンを持っている奴、魔法使いがいた。

狭い通路に苦戦しながらも特にひどい怪我をする人もなく倒せた。

その後、俺達はショコラに礼を言われ、道案内してもらう事になった。
危険なので一応ショコラのボディーガードをアルマに頼む。

「キュ!」

アルマがショコラの肩に乗る。

「あ、アルマちゃんだよね?さっきはありがとう。そしてボディーガード、よろしく」

「キュウ!」

そうして先に進んだ俺達は広い部屋、管制室に出た。

「ようやく到着か。天から見放された神子と豚どもが」

全員が管制室に入ったと同時にマグニスの声が響いた。

「天から……見放されただと?」

クラトスが呟くように言う。

中央の装置からマグニスが出てきた。

天から見放されたのはお前だとロイドが叫び戦おうとするが、部屋の両端の転送装置からディザイアン達が出てきて囲まれてしまう。

どうやら投影機と言う遠くのものが見える装置で俺達の事は筒抜けだったらしい。
ニール達が装置に映し出され、閉じ込められていくのが見えた。

そしてマグニスは投影機に映し出された人達でイセリアの再現をしようといい始める。
あの時の事を思い出す。

ディザイアンは……どうして……こんな事をするんだ……

また、何かがこみ上げてくる。

「や、やめろ!」

ロイドが必死に叫ぶ。
するとマグニスはロイドの表情を見て楽しむかのように、マーブルの話を始めた。

マーブルをロイドが殺したと……

それにいち早く反応したのは何故かショコラだった。
マグニスはショコラの反応を見て、話し始める。

ショコラの祖母であるマーブルを殺したのはロイドだと……

ジー二アスがすぐにロイドはマーブルを助けようとした事をショコラに伝えるが、ショコラは後ろに後ずさりディザイアンに捕まり、ショコラからディザイアンを遠ざけようとしたアルマはディザイアンに弾き飛ばされる。

「アルマ!」

アルマを受け止める。ショコラはそれに一瞬声を出そうとしたが、ロイドがディザイアンにショコラを放すように叫ぶのを聞いて、ロイドを睨んだ。

そしておばあちゃんの仇に頼りたくない。頼るくらいなら死んだ方がマシだと叫ぶ。

コレットが説得するも、自分の事はドアが助けてくれると言って聞かない。
マグニスはその様子に声をあげて笑い、ショコラを連れて行くように指示をだした。

俺達はそれを追いかけるために戦闘になる。
一般兵を倒すと、マグニスが直接出てきて戦う事になった。

「生きて帰れるとは思ってねぇだろうな!!」

巨大な斧を振り下ろし、マグニスが攻撃してくる。
手下のディザイアンも魔法や鞭、ボウガンで攻撃してくる。

相手の魔法をジー二アスが相殺し、ボウガンによる遠距離攻撃をアルマが防ぐ。

俺とロイドとクラトスで敵の魔法使いとボウガン使いを先に倒そうとするも鞭使いやマグニスが向かってくる。

コレットが一定の距離でこちらを援護、後方でリフィルが回復してくれる。

少しずつ敵を倒し、マグニスを追い詰める。

するとマグニスはバックステップで後方に下がった。

「劣悪種どもめがぁぁぁぁぁ!」

怒りに満ちた声でそう叫び、そばの機械を動かし何かを取り出す。
そして取り出した何かを部下の兵士に埋め込んだ。

「ま、マグニス様!何を……!ぐわあああああああ!!」

兵士は苦しさから叫び、禍々しい紫色の光が漏れ出てくる。
前にも感じた事のある気配。

『あいつ、オメガの欠片を部下に埋め込んだわ!』

イヴの声が響き、その内容に皆が驚愕する。

「オメガって前にみた手の化け物!?それを埋め込んだの?嘘でしょ!?」

「そんなものを部下に埋め込むなんて……何を考えているの……!」

いつも冷静なリフィルも驚き声を出す。

欠片を埋め込まれた兵士は人の形を保てなくなる。
皮膚はめくれ、紫色の肉と黒い骨が飛び出し、もはや生物と呼ぶのも怪しいような不気味な化け物になった。

「劣悪種に相応しい化け物じゃないか!!」

マグニスは笑う。

「ひどい……どうして同じ人間にここまでできるの……?」

「自身が同属と思う者にもこのような事をするとは……」

コレットが声を振り絞るように言い、クラトスは厳しい表情で化け物を見ながら言う。

「マグニス……!」

ロイドはぐっと剣を握る力を強め、叫ぼうとした時。
化け物が動き始めた。

「GYAAAAAA!!」

化け物は腕を振り、マグニスを襲った。

「グアアアアアア!!」

マグニスは壁に叩きつけられ、血を噴出し倒れる。

『馬鹿ね!オメガは破壊衝動の塊よ!こんな事したら暴走するに決まってるじゃない!!早くこいつを止めないと命尽きるまで壊すのを止めないわ!』

イヴが叫ぶ。

「だとすると、やっかいだわ。前に倒した魔物と同じ状態だとすると今、こちらが攻撃してもきかない……」

『マナを使った強い攻撃をしない限りあの紫の光はとれないわ!』

リフィルにイヴが答える。

「前、僕が魔法で攻撃しても消されちゃったよ?」

『単純に威力が弱いからよ。それに前の魔物はオメガの力に触れて意思を乗っ取られただけの弱い奴よ。でも、こいつはオメガの欠片。前とは比べ物にならない』

「じゃあ……!」

「話はそれまでだ!くるぞ!!」

クラトスが注意を呼びかける。

相手はのろのろとこちらを向き、咆哮をあげた。

「風!」

誰かが叫ぶ。

俺はオメガに取り付かれた化け物に指差す。

「お前に相応しいソイルは決まった!」

『ここは室内よ!?小さい子達じゃあいつの張る光のバリアを突破できないわ!』

イヴが叫ぶ。
一瞬イヴを見て、ソイルを装填する。

「時重ねし雷、アンバーホワイト」

『ま、まさか!?』

イヴは誰が呼び出されるか気付いたようだ。
次のを装填する。

「静かなる怒り、ストームグリーン」

『皆!風の後ろに行きなさい!そしてアルマ!防御を頼むわよ!』

「キュ!!」

イヴが叫び、皆がすぐさま反応し俺の後ろに向かってアルマがバリアを張る。
それを見てから最後の装填をする。

「そして、闇を貫く閃光、ライトニングイエロー」



「鳴り響け、召喚獣……ラムウ!」

打ち出されたソイルは螺旋を描いてぶつかり光を放つ。
一瞬目が開けてられないほどの光が強く、次に目を開けたときには長い髭を蓄え、杖を持った仙人のような老人が浮いていた。

『フォッフォッフォ、まさかわしが呼ばれるとはのう……我らの中に力加減が出来るものは少ないとはいえ、まったく少しは老人に楽させて欲しいわい』

老人、ラムウはそう言って笑った後、すっと目を細める。

「ラムウ」

『分かっておる。では、この者を楽にさせてやろうかのお』

バチバチと持っている杖に雷が集る。
ラムウは後ろに少し向き、アルマを見る。

『加減はするが、しっかりバリアを張っておくのじゃぞ小さき子よ』

「キュウウ!」

アルマは力強く答え、ラムウは微笑み前を向いて杖を化け物に向ける。

『せめて、痛みを感じないよう一瞬ですますからのう』

ラムウが杖を振った瞬間、轟音と閃光が室内に満ちた。

雷は正確に化け物のみ当たる。
まるで意思を持つかのように他のものには当たらないように動き、敵を貫く。
それが、一瞬の間に起きていた。

相手は悲鳴を上げる暇もなく、息絶えた。
カオスの欠片を消滅させて……



敵を倒した後、ラムウはちらりとクラトスを見てから風に別れを告げて消えていった。

倒れていたマグニスは確認した所、死んでいた。
哀れとも思えないほど自業自得な最後だった。

なんとも言えない雰囲気に包まれながらも、リフィルが機械を操作して閉じ込められていたニール達を解放、ショコラが人間牧場から出たのを見た。

救出した人達のエクスフィアはロイドの父親に任せる事にして、話が一段落ついたところで、リフィルは人間牧場を爆破すると言い始め、10分後爆発するように仕組んでから俺達は急いで脱出した。






予言

予言します。

人間牧場を破壊し、パルマコスタを後にした神子達。

先へ進むために必要な像を求め、ソダ島へ。

島の間欠泉に眠る神殿で彼らを待ち受けるものとは――

ノーディス……―いへんのきざし―

次回もアンリミデットな導きを――




 
 

 
後書き
話を考えているとこの作品は他に出してる作品よりかなり長くなりそうなので、ちょっと投稿ペースが早くなるかもです。(ほとんど気持ち少し早めぐらいの可能性大)

後、今回の話についてですが……マグニスが原作より悪くなってます。人気の高いキャラですが、ひどい死にかたにしてしまった……複線もなくなってるし。
書いてるといつの間にか思ってたのとずれてくるんですよ……

それと今回の召喚獣、ラムウさん。おなじみの爺ちゃん。FF9のデザインです。
攻撃の仕方がオリジナルになってしまいました。

色々と反省はしてます。
 
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