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風と雲の継承者

作者:蒼鈴六花
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07 ドア―ねらわれたまち―

 
前書き
マグニス戦までいけると思ったのですが行けなかったです……
そのため前の次回予告の名前を変更しました。

久しぶりでうまくかけてるか分かりませんがどうぞ。
 

 
マックスにお礼を言い、船を下りるとパルマコスタに着いた。

港の市場を見ながら町に向かうと、曲がり角でコレットが人にぶつかってしまった。
その際、相手は持っていたワインを落とす。

コレットは謝り、代わりのワインを持ってくると言ったのだが相手は因縁をつけてくる。
まぁ……その後色々あって結局ワインを弁償する事になった。

相手の態度の悪さにロイドが少し機嫌が悪そうだったが、コレットに説得されしぶしぶ買いに行く事に……

「ふー!!」

「アルマ……」

威嚇するアルマの頭に手を乗せ、落ち着かせる。
アルマも同じ事を思ったのだろう。
先ほどの相手はなにやら怪しい感じがしてろくでもない事していそうだ。

だがお店に行っても在庫を切らしていると言われ、別のお店に行くと店の中から怒鳴り声が聞こえてきた。

ロイド達と急いで店に入るとディザイアンに店の女の子が怒鳴っていた。
あと少しでディザイアンと戦闘になりそうだったが幸い騒ぎは収まり、ディザイアン達は店を出て行った。

ディザイアンに気付かれないように威嚇するアルマを抑えるのは少し大変だったが……

この町ではドアと呼ばれる人物が町を仕切っているらしく、ディザイアンに立ち向かっているらしい。
町の人達はそのドアと言う人物に勇気付けられているようだ。

……と考えている間にロイド達がワインを買おうとしていたのだが、ワインは意外に高く、買えなかったようだ。

だがロイド達の話を聞いていた店の主人の女性から良いアルバイトがあると教えられ、そこに行って働く事になった。
コレットがやけに張り切っているが、コレットのドジっぷりを考えるとうまくいくか不安だ。
ロイドとジー二アスは不安そうな顔でコレットを見ていた。



場所は変わって紹介された学生食堂に向かう途中の広場。

町についてからよく聞くドアと呼ばれる人物がいた。
父親をディザイアンに連れて行かれたと言う男の子に必ず町の皆を救い出すと約束しているところのようだ。
近くにいた老人の話を聞いても噂通りの良い人物のようだ。

ドアとその娘が建物の中に入って行くのを見た後、俺達は学生食堂へと向かった。

どうやら、紹介された学生食堂のある学校はジー二アスが行く予定の学校だったようだ。
ロイドと生徒が少し言い争い、何故かジー二アスが生徒と勝負する事になったがその前に学生食堂に向かった。



「大丈夫かなぁ、コレット」

「不安……」

「そうだな……」

隠れてコレットを見守る事になった。

結果、コレットは無事アルバイトを成功させた。
いらぬ心配だったようだ。
こけそうになっている所をひやひやしながら見ていたこちらが精神的に辛かったが。

そして次は空き教室に行き、ジー二アスの勝負が始まった。
だが。

「丁度良い機会だわ、全員テストを受けなさい」

「えー俺達もかよー……」

ロイドはテストと聞いて嫌そうにしている。

「黙りなさい」

「……はい」

と、リフィルに言われ強制的にテストを受けることに。
テストと言うのは初めてだ。
たまにジー二アスから色々話を聞く事と本が好きだから借りて読む位だ。
学校に通っていない自分がどの程度できるかは分からないが……



テスト終了後。

なんとか終わった。
一応、全ての答えは埋めたが……

教師が順番に点数を言っていく。

「風くん、360点」

聞き間違いか?

「っな!?何で学校に行ってない風がなんでそんなに頭良いんだ!!」

「すごいね!風!」

「やっぱり風は点数よかった。ロイドも見習いなよ」

「くそー!」

その後ジー二アスは満点を取り、勝負に勝っていた。



そして学校を出た俺達は少し寄り道に隣にあった教会に寄ると先ほどディザイアンに絡まれていた店の少女がいた。
少しだけ話をして、祭司長に会い再生の書の話を聞く。
どうやらドア総督が持っているようだ。

だがその前にワインを渡しに行こうよとコレットが言い、パルマコスタワインを渡しに行ったが、相手は明らかに神子を名乗った盗賊まがいの連中だった。

だが、今の所追いかける理由も無いので再生の書を借りにドア総督の所へ向かった。
すると、神子の偽者として捕らえられそうになる。

どうやら偽者が先にここに訪れていたようで、偽者と思ったようだがコレットが何故か何も無い所でこけて羽を生やし、偽者の疑いは晴れたが偽者に再生の書が渡ってしまった。

偽者はコレットがぶつかった連中で間違いないだろう。
ドア総督から家宝をもらったとか言っていたので。

そして俺達は盗賊の連中が言っていたハコネシア峠へ。

道中アスカの噂を聞いた。
懐かしい。元気にしているだろうか?
ロイド達は会いたがっているが、ロイド達ならそのうち会える気がする。

その後、暗殺者に会ったりしながらハコネシア峠へ。

偽神子はすでに再生の書を売ってしまっていた。
買い取った老人はスピリチュアル像をくれるなら本を見せてくれると言う。
仕方なく小屋を出ると、人だかりが出来ていた。

「俺、ちょっと何があったか聞いてくるよ!」

戻ってきたロイドのよると、パルマコスタにディザイアンが向かったらしい。
それも、ここの近くにある人間牧場の主までパルマコスタに向かったようだ。

俺達は急いでパルマコスタに戻るが処刑台には道具屋の女性が立たされ、近くにいた人が一人マグニスと言う人間牧場の主に殺されていた。
ロイドがこの町の兵士はどうしてるんだと住人に聞くも演習でいなくなっていると言う。
絶望的な状況だった。

そこにさらに処刑台に立たされた女性の娘が駆け寄り、小さな子供がディザイアンに石を投げ始め殺されそうになる。

それに我慢できずにロイドが飛び出し、魔神剣でマグニスを攻撃。
リフィルが止めるも、ロイドは前に出る。コレットもそれに続いた。
アルマまで行きそうになったのでそれは掴んで肩に乗せた。
不満そうな声を出しているも素直に肩に乗ってくれた。

「あの男……例のオメガをやった奴か……」

何かマグニスがこちらを見て呟いたが声が小さく聞こえなかった。
それはそうとロイドもコレットもやる気みたいだ。

だが、そこに敵が魔法をロイドに放ってくるが、ジー二アスに容易く防がれ、相手は道具屋の女性を先に殺そうとする。
それをコレットが防ぎ、敵が驚いている間にクラトスと共に一瞬で距離をつめ、マグニスとその配下を攻撃。相手にはそれなりに深手を負わせた。

「風!お前も戦ってくれるのか!」

ロイドが嬉しそうに叫ぶ。
それに頷いて答え、敵に剣を向ける。

リフィルはそんな俺達に呆れつつも力を貸してくれる。
マグニスは先ほどのダメージがあるからか逃げ、配下が数人残った。

広場で戦闘が始まる。
町の人は建物の影に隠れ、ディザイアンは呪文の詠唱を始め、武器を持って襲い掛かってくる。

俺は武器を持っている連中を相手にする事になった。

敵の鞭を剣で切り、鎧の隙間を剣で貫く。

「キュ!」

そこに火の玉が飛んでくるもアルマが防ぎ。

「喰らいなさい!」

いつの間にか実体化したイヴが俺に魔法を撃って来たディザイアンを氷で殴りつけていた。

「イヴ……」

「大丈夫よ!これくらいならそんなに力は減らないわ!」

こんな調子で大丈夫だろうかと思いつつもイヴが攻撃して怯ませた敵を斬る。

ロイド達のフォローをクラトスに任せ、後衛の援護をしつつ敵を倒し、ロイドが最後の一人に魔神剣で倒して戦闘は終了した。



その後助けた母子にお礼を言われ、ハコネシア峠に再び行く事になる。
途中峠への護衛を頼まれ、護衛をしつつ峠に着くと兵士に呼び止められた。

何でも再生の旅を少し待って欲しいとの事だ。
クラトスが理由を聞くと、どうやら人がディザイアンに攫われたらしく、これを機にドア総督がパルマコスタ軍総力をあげてマグニスの治める人間牧場を襲撃するようだ。

それで、俺達には軍が人間牧場を攻めている間に人質を助け出して欲しいとの事だった。
コレットが攫われた人について聞くと、それは先ほど助けた道具屋の娘、ショコラだった。

放っておけないとロイドが言い、俺達は人間牧場を目指す。

なにやらきな臭さを感じるも人間牧場でドアの部下のニールに会う事でその正体を知る。

ドアはディザイアンと通じており、神子を罠に嵌め様としていた。

ニール曰く、昔は本当に良い人だったらしく、5年前に妻が殺された事からディザイアンに立ち向かうと誓っていたはずなのに今では間逆の事をしている。

ニールはショコラの事は自分に任せ、コレットに旅を続けて欲しいようだ。
クラトスとリフィルはその方が良いだろうと言う。

だが、コレットは助けたいと言う。ジー二アスもロイドも。
リフィルはそれを聞いて俺に聞く。

「貴方はどうするの?風」

「俺はコレット達の意見に同意する。だが、最終判断は神子であるコレットが決める事」

「じゃあもう決まりだな!」

「うん!」

ショコラを助けると決めた俺達は強行突破するか一旦パルマコスタに戻りドアの真意を聞くか選択し、結局パルマコスタに一旦戻る事になった。



パルマコスタ。

ドア総督の所へ向かうと建物の中には誰もいなかった。
何故だかすごく嫌な予感と気配がする。

気配は下の方から。
丁度声も聞こえるから誰かいるのだろう。
俺達は下に向かう。

下に行くとドアとディザイアンが会話していた。
気配も強い。どこかで感じた事のある気配だ。

内容はドアがディザイアンに妻の姿は何時になったら戻るのか?と聞くが金が足りないと拒否されると言うもの。

会話が終わり、ディザイアンがいなくなった所で問い詰める。

妻を人質に取られているのかと。
するとドアは妻ならここにいると何かを隠すようにかけられていた布を取り払う。

そこに隠れていたものを見た瞬間、マーブルの時と同じ様にどくんと鼓動がした。
あれは……

泣く声が聞こえる。
苦しむ声が聞こえる。

間違いなく、マーブルと同じ状態になってしまった人。

だが、薬があれば助かると言う。
コレットが薬を取ってくれば、ドアはもうディザイアンでいる必要はなくなると言い出し、ドアも助けようとしたが今までドアの後ろにいたドアの娘、キリアが突然動き出してドアを刺した。

そいつは本当のキリアではなく、亡くなったキリアに成り代わったディザイアンで、醜い化け物へと姿を変えた。
ドアを化け物の妻のためにありもしない薬を探す愚か者と嗤った。

その言葉にふつふつと何かがこみ上げてくる感じがする。
肩の上でキリアに成り代わっていた化け物に威嚇するのも止めない。

戦闘が始まった。

まずロイドが突っ込んで剣を振るうも相手の腕に弾かれてしまった。

「何だこいつ!?」

「剣を弾くなんて、どれだけ硬いの!?」

「劣悪種の攻撃など効かぬわぁ!」

敵は爪で怯んだロイドに攻撃しようとするも横からクラトスがその攻撃を防ぎ、俺が剣で敵を吹き飛ばす。

「落ち着けロイド、敵がいくら硬かろうと弱点や斬れる所は必ずどこかにある!」

クラトスがロイドに叫ぶ。

「そんな事言ったって!」

「関節を狙え、ロイド」

「関節って、ええっとどこだっけ?」

それを聞いて後ろでジー二アスがこける。
敵はその最中に離れて詠唱している。
だが、コレットとリフィルの詠唱が先だった。

「エンジェルフェザー!!」

「フォトン!」

羽と同じ色の光が飛んでいき、敵に当たると同時に光が弾けた。
詠唱阻止はできたもののあまりダメージにはならなかったようだ。

「ロイド、俺の動きを見ていろ」

俺は、関節がどこか口で説明するより実際に攻撃を見せた方が良いと判断して敵に近づき関節を斬り付けた。

「ぐっ!」

敵がうめき声を上げる。
やはりここにはダメージが通るらしい。

「そこか!」

敵の後ろに周りこんだロイドが素早く斬り付ける。
敵が悲鳴を上げた。

「よっしゃ!あんがとな風!」

ダメージが通ってこちらに声をかけるロイド。

「ロイド!風!一旦離れて!」

そこにジー二アスの声響く。

俺達はすぐさまバックステップで離れる。

「水に飲まれろ!アクアエッジ!」

ジー二アスから水の刃が飛んでいき敵に当たる。
敵は悲鳴を上げた後、なんだか嫌な予感がした。
突っ込んでいくロイドを止めようとしたが間に合わない。

「アルマ、ロイドを……!」

「キュ!」

「うわっ!?アルマ危な――!?」

「キュー!!」

アルマがロイドに飛びつき、バリアを張った瞬間敵の攻撃がバリアに弾かれた。
ロイドは驚いた顔で敵を見る。

敵の背中から骨の触手のような物がいくつも飛び出し、それの一部がバリアに弾かれ戻る所だった。

「何あれ、気持ちわるー……」

ジー二アスが嫌そうな顔で敵を見ている。
確かにあれは気持ち悪い。ただでさえ気持ち悪いのにさらに気持ち悪い外見になった。

敵はその状態で詠唱する。

「ダークスフィア!」

その瞬間リフィルが悲鳴を上げる。

「先生!」

リフィルを中心に黒い球ができ、弾けた。
リフィルはガクッと膝をつく。

「アルマ、リフィルを」

「キュ!」

アルマとクラトスがリフィルの方に向かう。

「よくも姉さんを!喰らえウィンドカッター!」

ジー二アスの魔法により風の刃が飛ぶ、敵が避けようとした所に先回りし剣で斬り付ける。
魔法は命中。追い討ちのように詠唱が完了したコレットの攻撃が敵に当たる。

敵は弱り始めている。

「ロイド」

「ああ、行くぜ!」

ロイドに声をかけると待っていたといわんばかりに答えが返ってくる。

瞬時に二人で息を合わせ。

「「衝破十文字!」」

まっすぐ突きを放ち、ロイドと交差するように敵を切り裂く。

「ば、バカな……」

敵が力尽きたように倒れたと思ったが、敵は最後の力を振り絞りドアの妻の入れられた檻を開ける。
俺達に襲わせるために。

ドアの妻はこちらにゆっくり近づき腕を振り上げる。

「ダメ!」

コレットが声をあげ、俺はロイド達を庇うように前に出た。
じっと俺は彼女を見上げた。
彼女の意思はわずかに残っていた。

彼女はふらりと別の方に向き去っていった。

ロイドは追いかけようとするもドアの声に止まる。

ドアは娘の事を聞いて来る。
それにロイドは本物の娘は無事だと答えた。

コレットはドアを治療するようにリフィルに頼むも、手遅れで。
ドアは最後にさらわれたショコラと妻を助けてくれと頼んできた。

ロイドはそれに分かったと答えた。

そしてドアは死んだ。

その場に重く、冷たい雰囲気を残して……







予言。

予言します。

ドアの最後の頼みを聞いたロイド達。

少女や町を救うため、人間牧場へと向かう。

二つ目の人間牧場でロイド達が見たものは――

マグニス……―みくだすものたち―



次回もアンリミデットな導きを――







 
 

 
後書き
中ボス戦がかなり長くなってしまいました……
ほんとはもっと短くするつもりだったのですが、よくわからないうちに長くなってました。

マグニス戦で召喚獣出せたらいいな。
 
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