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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第十四話 迷路とお化け屋敷とワームその五

「けれど。クラスメイト達と一緒にいることもね」
「そうそう。僕だってね」
 愛子はあっさりと失言してしまった。満面の笑顔で。
「ムッツリーニ君と一緒じゃないとどうもね」
「えっ、今何と?」
「何て言ったのよ」
 利光と優子は愛子の今の言葉に思わず問い返した。
「Fクラスの彼が一体」
「どうしたのよ」
「あっ、何でもないわ」
 ここで失言に気付いてだ。愛子は狼狽しながら己の言葉を打ち消した。
「別に何もね。そうそう、最近僕そっくりの警察官がいるらしいけれど」
「あの世界だね」
 利光は眼鏡に己の手を当てて述べた。右手の人差し指で眉間のところを押している。
「探偵と怪盗が争う。僕もあの世界のことは聞いているよ」
「というか久保君そっちの世界でも吉井君と一緒でしょ」
「そう。あれはいい世界だね」
「そっちの世界も関わってくるのかしら」
「わからないな。それにしても君はあっちの世界では面白いことになってるな」
「あっちの僕は色々と大変だけれどね」
 何故二人は別世界の話で盛り上がりはじめた。
「ハーバード大学卒業してキャリア官僚になってても失態続きだし」
「あれだけ豪華な顔触れでも駄目なのだな」
「そうなのよね。それに小学生の女の子にストーカーされてるし」
 そんなこともこちらの世界では笑顔で話せる愛子だった。
「無茶苦茶困ってるのよね。あっちの僕」
「あちらの世界の僕は悪事をしているがな。吉井君と一緒に」
「楽しい?あっちの世界は」
「かなりいい」
 利光の今の言葉には煩悩が出ていた。
「あちらの世界の僕とも色々と話がしたいものだ」
「僕も。あっちはこっちよりずっと大変な状況だけれどね」
「そうだな。しかしあの小学生の娘は」
 何気に彼女の話もするのだった。
「かなり悪質だな」
「そうよね。あっちの世界の僕は捕まって何をされてるのかしら」
「考えるだけで怖いものがあるね」
「本当にね」
「何か私も色々会いそうね」
 優子も少しぼやき気味に言う。
「Fクラスの島田さんと一緒にね」
「そういえば君も色々あるからね」
「そうだな。木下さんも複数の世界に関わっていたね」
「何か天道さんが言っていた白い猫みたいな生きもの」
 キュウべえのことをだ。優子は不機嫌な顔で話しはじめた。
「私に凄く似ている感じで嫌なのよ」
「あの生きものか」
「そう。キュウべえっていったわよね」
「俺もそう思った」 
 その天道も話す。尚今も戦闘は続いている。彼等は戦いながら話しているのだ。
「君と君の弟さんはキュウべえにそっくりだった」
「それ凄く嫌」
 優子は戦いながら不機嫌に言う。
「何かね。一生ついて回りそうだし」
「それ安心していいと思うよ。木下さん普通に分身多いから」
 愛子は屈託のない笑顔でその優子に話す。
「大体そんなこと言ったら天道さんだって執事やってたし」
「知っていたか」
「はい。凄く格好よかったですから」
「俺だけが出ていたのではないしな」
「仮面ライダーの人は結構出てましたよね」
「あれは面白い世界だった」
 天道はワーム達を次々に倒しながら話す。
「執事もまたいいものだ」
「そう。執事なら」
 翔子が思い浮かべるのは一人しかなかった。
「雄二、今度は執事」
「執事はお嬢様にお仕えするもの」
 天道はよく知っていた。そのことを。
「まさに真の紳士なのだ」
「お嬢様。だとすると吉井君は」
 またしても煩悩の世界に浸る利光だった。
「そうだな。僕は誠心誠意を以て吉井君の執事になろう」
「恋愛っていいよね」
 愛子はにこやかに笑ってそうした非現実の恋愛も受け入れていた。
「僕ももっと頑張らないとね」
「雄二、この戦いが終わったら」
 翔子は普通なら死亡フラグになる台詞を出した。
 
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