ビスタチオ
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第二章
「そうなるからな」
「だからですね」
「ああ、くれぐれもな」
「服は着ることですね」
「いいな」
「そうしていきます」
用心棒は頷いた、そうしてだった。
キャラバンは砂漠を進んでいった、駱駝は皆無事でキャラバンで何かあった者もおらず砂漠を通過出来た、だが。
長老はそこでだ、キャラバンの者達に言った。
「最近この辺りは物騒だからな」
「盗賊出ますね」
「俺達を狙ってきますね」
「そうしてきますね」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「いいな」
「はい、気を付けます」
「周りをよく見ます」
「若し盗賊が出たらです」
「すぐに撃退しましょう」
「ああ、そうしないとな」
さもないと、というのだ。
「やばいぞ」
「ですね、盗賊ってのはいきなり出て来ますから」
「寝込みも襲ってきますし」
「厄介ですよ」
「とんでもない連中ですよ」
「だからな」
それでというのだ。
「用心しろよ」
「そうします」
「注意します」
「周りは見ます」
「よく」
「そうするぞ」
こう話してだった。
キャラバンはさらに先を進んだ、そのうえで。
周りを警戒していた、何時盗賊達が出て来てもと思っていたが幸いその場所を通り抜けるまでだった。
盗賊は出なかった、そして目的地に着いたのだった。
「よかったな」
「全くだな」
「砂嵐に遭わず迷子にもならず」
「蠍にも蛇にもやられなかった」
「盗賊にも襲われなかった」
「よかった」
「皆無事だったな」
「アッラーのご加護だ」
長老は言った。
「それにだ」
「はい、おまじないですね」
「今回も利きましたね」
「そうでしたね」
「昔から言われてるんだ」
長老は話した。
「だからだ」
「いつもですね」
「旅をする時はですね」
「ビスタチオを持って行きますね」
「一人一個で」
「そうだ、お守りだ」
言うならというのだ。
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