Spicy Heart
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第二章
「これからもだよ」
「気障でいくのね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「それでいくよ」
「そうなのね」
「何があってもどんな時でもね」
今も気障なポーズと口調で言う、見れば普段着も決めている。下品なことも言わないし本当に気障だ。
だがある日だ、休日の昼急に揺れると。
彼は咄嗟にだ、私の手を引いてテーブルの中に一緒に入れた。そして言った。
「収まるまでテーブルの中にいるんだ」
「ものが落ちても大丈夫な様に」
「そう、絶対に出たら駄目だよ」
私に一緒にリビングのテーブルの下にいる中で話した。
「いいね」
「わかったわ」
私も地震の時の対策はわかっている、それでだ。
今はテーブルの下でじっとした、するとだった。
揺れはすぐに収まった、幸い何も崩れず倒れず落ちずだった。スマートフォンで揺れ具合を確認すると震度五で私達の暮らしている街の傍が震源地だった。
だが震度五では日本ではそんなにと思いむしろ大地震が何処かで起こったのでなくてほっとした、そのうえで彼に言った。
「有り難う、一緒に入れてくれてアドバイスもしてくれて」
「気障にいけたかな」
「気障じゃなかったわ」
私は彼に微笑んで答えた。
「ヒーローだったわ」
「ヒーロー?僕が」
「いざっていう時は人を助けてくれるね」
「そうかな」
「そうよ、だからね」
それでだ。
「もう貴方を気障とは思わないし言わないから」
「ヒーローなんだ」
「私としては気障よりいいわ」
「僕は気障でいいのに」
「それでもよ、前よりも好きにもなったし」
「そうなんだ」
「ええ、これからも宜しくね」
今は気障な素振りは見せず私の言葉に意外といった顔になっている彼に告げた、そうしてだった。
私は彼を本当にこれまで以上に好きになり私からプロポーズして彼と結婚した、それからも彼は普段は気障でもここぞという時はヒーローになってくれた。何かと凝るけれどいざという時そうなってくれた。
Spicy Heart 完
2025・3・30
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