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Spicy Heart

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第一章

               Spicy Heart
 私の彼は少し違う、何かというと趣向を凝らしてくる、そうでないと気が済まない癖性分なのだ。
 それは今も同じで私への誕生日プレゼントも。
「また変わった箱ね」
「ああ、箱にも凝ったんだよ」  
 お互いの仕事帰りに後ろにネオンが見える橋の真ん中で私に言って来た。渡す場所も凝っているのだ。
「洒落たものにしたんだよ」
「そうなのね」
「中身もだよ」  
 そちらもというのだ。
「空けて見てのお楽しみだよ」
「今ここで見ていいのかしら」
「ああ、そうしてくれよ」
 何処か気障に言う、その気障も彼の凝っているところだ。
「君がそうしたいなら」
「それじゃあ」 
 彼の言葉に頷いて空けてみた、奇麗な包装が施された箱を空けてみると。
 そこにはペンダントがあった、そのペンダントは。
「ルビー、私の誕生石の」
「どうかな」
「嬉しいわ、じゃあ有り難くね」
「付けてね」
「そうさせてもらうわ」
 彼に笑顔で応えた、そして早速その場で付けると彼は喜んでくれた。兎に角凝るのだ。その凝り方は一言で言うと気障だ。
 そんな彼だが同棲をはじめるとやっぱり気障だ、プライベートだし別にいいと思ってもそれは変わらない。聞けば人前ではいつもらしい。
「僕は気障が好きなんだよ」
「人に言われてもいいのね」
「気障でも恰好つけたらそれなりに様になるからね」
 だからだというのだ。 
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