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大阪のミンツチ

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第二章

「することがあります」
「それで今日はなのね」
「特に忙しくなくて」
「じゃあちょっとプール行かない?」
「暑いからですの」
「それか川沿い歩くとか」
「そうして涼みますのね」
「暑いことは事実だしね」
 だからだというのだ。
「そうする」
「では川沿いを歩きましょう」
 玲奈はそれならと答えた。
「プールに行くにもです」
「それにもなの」
「はい、水着持っていませんし」
「一旦お家に帰って持って行くとか」
「レンタルもありますけれど」
「そこまでしてはね」
「思いませんわね」
 杏に問うた。
「そうですわね」
「そこまではね」 
 杏もそれはと返した。
「ちょっとね」
「ではですわ」
 それならというのだった。
「川沿いを歩きまして」
「涼む?」
「そうしましょう」
「じゃあ淀川行こう」
 この川の方にというのだ。
「そうしよう」
「ええ、この辺りで川といいますと」
「やっぱりね」
「淀川ですわね」
「淀川と大和川があってね」 
 そしてとだ、杏は話した。
「その間に色々川があってお堀もある」
「それが大阪ですわね」
「もう昔は」
 それこそというのだ。
「大坂城の周りを川やお堀があってね」
「水運が凄いですわね」
「しかも前は海だしね」
「水の都ですわね」
「木の都って言う人もいたけれどね」 
 織田作之助である、彼が生まれ育った辺りは水は少なく逆に生國魂神社等に木が多くそう思った様だ。
「やっぱり基本はね」
「水の都ですわ」
「その水の都でね」
「淀川はその中心ですわね」
「その傍を歩いて」
「涼みましょう」
「これからね」 
 こうした話をしてだった。
 二人は学校帰りに今度は淀川の方に行った、そしてだった。
 川の土手の方を歩いてだ、川の傍の草原にも下りたがここで玲那は思い出した様に言ったのであった。
「北海道は涼しいですわね」
「あそこはね」 
 杏もそれはと返した。
「流石にね」
「夏でもですわね」
「スコットランド程じゃなくてもね」
 自分の母の故郷のというのだ。 
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