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博士の挑戦状

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第二百六十九話

              第二百六十九話  夜に食べて
 夕食はカレーだった、それで赤音は言った。
「朝カレーね」
「そうよ」
 母は笑顔で応えた。
「前にリクエストあった通りにね」
「朝もしてくれるのね」
「だから多めに作ったから」
「カレーもご飯も」
「ご飯は炊いてね」
 そうしてというのだ。
「用意したわ」
「そうなのね」
「だからね」
 それでというのだ。
「朝も食べてね」
「そうさせてもらうわね」
「それじゃあね」  
 姉が笑顔で言ってきた。
「おソースかけて」
「お姉ちゃんはそれは絶対ね」
「カレーにはね」 
 何といってもという口調での返事だった。
「おソースよ」
「おソースをかけて」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「朝も食べるわ」
「そうするのよね」
「おソースがあればいいから」
 こう妹に話した。
「今からいただくわ」
「それじゃあね」
「あんたは別に何もかけないわね」
 妹に逆に聞き返した。
「カレーには」
「だってカレーだけでね」 
 それだけでとだ、赤音は答えた。
「充分美味しいでしょ」
「ええ」
 姉も否定しなかった。
「私は絶対におソースかけるけれど」
「それでもよね」
「カレーだけでもね」
 ルーだけでもというのだ。
「食べられることは食べられるわ」
「それだけで確かな味だしね」
「出来るわ、じゃあね」
「今晩はカレーでね」
「明日の朝もカレーよ」
「朝カレーね」
「そっちも楽しみましょう」
 一家で笑顔で話した、そしてまずは夜のカレーを食べた。そうしてそのうえで朝もとなるのだった。


第二百六十九話   完


                  2025・5・12 
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