ドワーフタイプのトイプードル
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第一章
ふわりは足が短い、所謂ドワーフタイプのトイプードルである。もっと言えばサイズはティーカップに近い。
そんな彼女を見てだ、家族である国崎家の息子の洋介は母の百合子に言った。
「ふわりって足短くても足速いよな」
「活発でね」
百合子は家の中でケージを出て洋介と遊ぶふわりを見て応えた。
「そうよね」
「足短いとな」
洋介はそれならと言った。
「普通足遅いよな」
「それはね」
母も否定しなかった。
「あるわね」
「そうだよな、けれどな」
それがというのだ。
「何でふわりは速いんだろうな」
「だってふわりって狩猟犬よ」
「トイプードルはか」
「そうだしね」
このことがあってというのだ。
「元々動く種類で」
「走ってもか」
「狩猟犬なら足が速くないと」
さもないと、というのだ。
「よくないでしょ」
「飼い主が撃ち落とした水鳥咥えて取りに行くだけでもな」
「泳いでね」
「ああ、泳いでな」
ここで洋介は気付いて言った。
「足を動かすな」
「その時もね」
「そっちでも動くか」
「トイプードルはね」
この種類の犬はというのだ。
「だから足が短くてもね」
「足が速いんだな」
「そうなのよ」
「下手すると柴犬並に速いよな」
この種類の犬と、というのだ。
「柴犬も狩猟犬で足速い方だけれどな」
「だから同じ狩猟犬だからよ」
「トイプードルも足速いか」
「ふわりもね、しかも四本足だから」
百合子はこのことも話した。
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