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盗撮はしない

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第二章

「他の娘もいるだろ」
「それはそうだな」
「わしが見たいのはこれはという娘でな」 
 そうであってというのだ。
「他の娘はいいんだ、大体好みでない娘だっているだろ」
「風呂場とか覗いてもな」
「そうした娘の裸見て楽しいか」
「それはな」
 友人もそれはと返した。
「ないな」
「そうだろ、犯罪でな」
「好きでない娘を見るか」
「何がいいんだ、盗撮をしてもな」
 あらためてこちらの話をした。
「同じ様なものだな」
「犯罪でか」
「そうだ、本当に何がいいのかな」
 それこそというのだ。
「わしにはわからん」
「若い頃からか」
「アイドルのグラビアやそうしたDVDは好きだ」
 そうだというのだ。
「しかしな」
「盗撮は嫌いか」
「嫌いだ」
 その通りだというのだ。
「助平は犯罪じゃない」
「犯罪は駄目だな」
「そこは守らないとな」
 絶対にというのだ、兎角だ。
 彼は盗撮それに覗きは全否定だった、犯罪だともいい今もだった。
 アイドルのグラビアを見ていた、そして今はこんなことを言っていた。
「最近は声優さんもな」
「前からグラビアあるでしょ」
「いや、今は昔より遥かにな」
 家でとある声優の写真集を開きつつ話した。
「水着や下着にな」
「なってくれてるのね」
「そうなっているんだ」
「そうなのね」
「だからな」
 それでというのだ。
「わしはこれからはな」
「声優さん達もなのね」
「注目していくぞ」
「元気ね」
「元気な方がいいだろ」 
 夫は妻に問うた。
「年寄りでも」
「それはね」
 妻も否定しなかった。
「その通りよ」
「そうだな、だからな」
 それでとだ、夫は言うのだった。
「わしはこれからもな」
「元気でいるのね」
「そうだ、このままな」 
 実際にというのだ。
「助平でいくぞ」
「そうするのね」
「ずっとな」
 こう言って声優の写真集も買って観ていくのだった。その彼は元気そのものだった。老いても女の子が好きだといつも言って。


盗撮はしない   完


                 2025・7・23 
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