声が出なくなった原因
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第一章
声が出なくなった原因
急にだ、小学五年生で合唱団に所属していて合唱団の中でも注目されている九条悟女の子の様な整った奇麗な顔でさらさらしたクロカミヲショートヘアにした中背で痩せている彼は歌えなくなった。普段は喋られるが。
歌声が出なくなった、それで合唱団の団長である司祭に言われた。
「休むことです」
「休んでいいんですか」
「はい」
優しく穂本での言葉だった。
「こうした時もありますので」
「だからですか」
「ゆっくりとです」
「今はですね」
「練習もせず別のことを楽しみ」
そうもしてというのだ。
「休んで下さい。そしてまたです」
「歌える様になれば」
「貴方が望まれるなら」
そうであるならというのだ。
「戻ってきて下さい」
「わかりました」
それならとだ。
悟は頷いた、そして合唱団を休むことになったが。
両親はそんな彼にだ、こう言った。
「どんな時もあるからな」
「歌手でもそんな時あるみたいね」
「調子とかストレスでな」
「だったら仕方ないわね」
「今は司祭さんも言ってくれてるしな」
「休みなさい、それに」
両親はこうも言った。
「今は声変わりの時期でしょ」
「だったら尚更だ」
「落ち着いてね」
「じっくり休むんだ」
こう言って息子を休ませた、だが。
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