背の高い女の子
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第二章
有美子は勉強に力を入れて翔子もそうした、その為二人共学校の成績はよくなった。そうしてだった。
二人は一緒に市立の中学に進学したが三年になる頃には。
「私も背が伸びてね」
「一六四あるわね」
「今はね」
有美子はクラスで翔子に言った。
「そうなったわ」
「私は一六七でね」
翔子は自分の話をした、二人共セーラー服姿である。
「三センチ位しか変わらなくなったわね」
「そうよね、昔は私小さかったのに」
「背が伸びたわね」
「背ってね」
それはというのだ。
「変わるものね」
「成長したらね」
「そうしたものね、それで昔は違っても」
「今は大して変わらなくもなるわね」
「そうね、そして」
有美子は微笑んで言った。
「今度の試合でね」
「バスケのね」
二人ともこの部活に所属している、それでそちらの話もしたのだ。
「大会に出て」
「これが最後だけれど」
「頑張ろうね」
「一緒にね。それで試合が終わったら」
「もう受験だけれど」
「何処受けるの?」
「そこはね」
二人が言った高校は同じだった、県内の公立のそこそこ偏差値のいい高校だ。それで今度は勉強の話をした。そしてその高校に入った時二人は一緒に校門を潜ったが二人共学校では背の高い方と言われてそちらのことはそれで終わりだった、それよりも部活や成績がいいと評判になったのだった。
背の高い女の子 完
2025・7・15
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