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背の高い女の子

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第一章

                背の高い女の子
 小学六年生の小林翔子は一六〇ある、クラスでは男子も含めて一番高い方である。その為時折大女とも呼ばれているが。
 面長で細い目を持ち黒いショートヘアのその顔でだ、こう言うのだった。
「背が高いのって悪くないわよね」
「何が悪いのよ」
 クラスメイトで仲のいい高橋有美子が応えた、丸顔で丸い目で黒髪をツインテールにしている。背は一四〇位で翔子とは頭一つ分違う。
「一体」
「よく大女って言われるから」
「別にいいじゃない、背が高くてね」
 有美子は下校の時隣を歩く翔子に言った。
「困ったことないでしょ」
「高いところのもの取れるしね」
「だったらいいじゃない、低くてもチビって言われるのよ」
 有美子はこうも言った。
「私はそう言われることあるしね」
「クラスの男子に」
「結局あれよ、大きくても言われて」
 そしてというのだ。
「小さくても言われるのよ」
「どっちでもなのね」
「だからね」
 それでというのだ。
「もうね」
「気にしないことね」
「そうよ、私お母さんに外見のことはきにするなってね」
 その様にというのだ。
「言われたし」
「それじゃあ」
「そう、翔子もね」
「気にしないことね」
「それよりも勉強でしょ」
 大事なのはというのだ。
「私最近テストの点悪いから」
「有美子ちゃん最近勉強熱心よね」
「頑張るわ」 
 そちらをとだ、そうした話をしてだった。 
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