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金木犀の許嫁

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第七十三話 神戸に帰ってその五

「一緒にね」
「結婚してね」
「一緒に暮らしたいわね」
「そうだよね、長くね」
「そうよね」
「うち長寿の家系なんだよね」 
 佐京は夜空にこうした話もした。
「猿飛家は」
「そういえば代々長生きね」
「事故や戦争で亡くなった人がいても」
「それでもね」
「このことは十勇士のお家はね」
「どのお家もそうよね」
「真田家もね。どうもね」 
 佐京は主家筋である幸雄の実家の話もした。
「真田家が長寿の家系でとのお家も代々真田家とも結婚して」
「それぞれのお家もで」
「どのお家も長寿の血が入ってね」
 真田家のそれがというのだ。
「長生きになっているみたいだよ」
「そうなのね」
「そうみたいだよ」
 そうだというのだ。
「どうもね」
「そうなのね」
「それに皆忍術の修行をしていてね」
「運動しているから」
「そのこともあってね」
 それでというのだ。
「長生きみたいだよ」
「どのお家の人も」
「猿飛家もね」
「だから私達も長生き出来るのね」
「うん、まさに末永くね」
「一緒にいましょう」
「そうしようね」
 夜空に微笑んで話した。
「是非ね」
「ええ、そうしましょう」
「それで長生きの為にもですね」
 白華が言ってきた、今は豊の家から八条鉄道の駅に向かっている、そこから神戸に帰る予定であるのだ。
「よく寝ることですね」
「そう、よく寝ないとね」
 真昼が応えた。
「身体に負担がかかって」
「心にもよくなくて」
「それでね」
「長生き出来ないですね」
「昔の漫画家さんって六十位でぽっくりが多いけれど」
「手塚治虫さんもでしたね」
「寝ないでね」
 二日三日の徹夜が普通の生活であったという。
「ずっと漫画描いて」
「若くしてですね」
「そうなっていたのよ」
「だからですね」
「長生きしたいならね」 
 そうしたいならというのだ。
「何と言ってもね」
「寝ることですね」
「幸雄さんの言う通り休むこともしないと」
 さもないと、というのだ。
「長生き出来ないのよ」
「そういうことですね」
「それで私達もよく寝てるし」
「いいことですね」
「本当に寝ないと」
 さもないと、というのだ。 
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