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金木犀の許嫁

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第七十三話 神戸に帰ってその一

                第七十三話  神戸に帰って
 神戸に帰る時が来た、豊は両親と共に寺を後にする一行を見送った、そしてその中で白華に対して言った。
「じゃあまた」
「お会いしましょう」
「その時を楽しみにしているよ」
「私もです」
 白華は微笑んで応えた。
「その時が楽しみです」
「そうなんだ、じゃあお互いにね」
「その時を楽しみにしまして」
「お別れしよう」
「またお会いしましょう」
「そうしよう」
 笑顔で別れた、そして白華達兄妹の両親もだった。
「じゃあこれでね」
「ニュージーランドに戻るわね」
「飛行機の時間もあるし」
「これでお別れよ」
「それじゃあね」
 佐京が名残惜しそうに応えた。
「またね」
「また戻って来るからな」
「その時を楽しみにしておきましょう」
「そうだね、一勝のお別れじゃないし」
 佐京はそれでと応えた。
「またね」
「ああ、会おうな」
「そうしましょう」
 二人も言ってだった。
 駅で特急に乗って別れた、そしてだった。
 その後でだ、幸雄は言った。
「ではです」
「私達もですね」
「神戸に帰りましょう」
「今からですね」
「そうしましょう」
 白華に答えた。
「これから」
「それでは、何かです」
「何か?」
「あっという間でしたね」
 こう言うのだった。
「伊賀にいる間は」
「そうですね」
 幸雄も言われて頷いた。
「言われてみますと」
「そうですね」
「長い様で、です」
「あっという間で」
「すぐに終わりましたね」
「それで今からですね」
「神戸に戻りましょう、そして」
 幸雄はさらに言った。
「神戸に戻れば」
「そうすればですね」
「ゆっくり休みますか」
「休むんですね」
「色々あったので」
 伊賀にいる間というのだ。
「ですから」
「休むんですね」
「休んで」
 そうしてというのだ。
「労わることです」
「身体を」
「あっという間でも」
 そう感じてもというのだ。
「長い間です」
「色々あったので」
「ですから」
「帰ったらですか」
「まずはです」
 何と言ってもというのだ。 
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