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ハッピークローバー

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第百七十八話 理性の必要性その三

「したら駄目よ、あんたも長生きしたいでしょ」
「それはね」
 実加は梅酒を飲みつつ真顔で答えた。
「私もね」
「そうでしょ、だったらね」
 それならというのだ。
「麻薬はしないことよ、あと煙草もね」
「あんなの吸わないわよ」 
 麻薬と同じ位否定的にだ、実加は答えた。
「絶対にね」
「身体に悪いからよね」
「そう、あんなの吸って何がいいのよ」 
 真顔でだ、姉に言った。
「私わからないわ」
「私も吸わないわ、煙草っていいことないのよ」
「吸ってもね」
「やっぱり身体に悪いし」
「癌になるから」
「そう、そしてね」
 理虹はさらに話した。
「脳細胞もね」
「破壊されるのよね」
「それで寿命もね」
「縮まるから」
「いいことないわよ」
 理虹も言い切った。
「私も吸ってないし」
「未成年だし」
「これからもね」
 ずっと、というのだ。
「吸わないわ」
「お姉ちゃんもね」
「格好つけで吸って」
 そうしてというのだ。
「早死にしてどうするのよ」
「それで吸いはじめる人多いのよね」
「あと背伸びして」
「大人が吸ってるから」
「早く大人になりたくて、あと不良はね」
「悪いことしてる俺恰好いいね」
「それで吸うのよ」 
 そうしているというのだ。
「そこから止められなくなるのよ」
「どれも馬鹿みたいね」
 実加は柿ピーを齧りながら述べた。
「私から見れば」
「そうよね」 
 理虹も否定しなかった。
「私もそう思うわ」
「そうよね」
「それで早死にしたら」
「お話にならないわね」
「実際に身体に悪くて」
 煙草はというのだ。
「脳細胞も壊されるから」
「寿命にも関わるわね」
「それで何で吸うのよ」
「わからないわね」
「ヒトラーは吸わなかったらしいけれど」
 兎角煙草嫌いで知られていた、総統官邸は全館禁煙であり誰もヒトラーの前では煙草を吸えなかったという。
「この点だけはよかったわね」
「ああ、そうみたいね」
 実加もヒトラーのその話に乗った。
「どうも」
「それでお酒も飲まなくて」
 稀にビールは少し飲んでいたという。
「基本菜食主義で女の人にも清潔でね」
「真面目ね」
「趣味は読書と音楽鑑賞で」
「私生活は普通だったのね」
「それでそうだったのよ、煙草はね」 
 それはというのだ。 
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