ハッピークローバー
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第百七十八話 理性の必要性その一
第百七十八話 理性の必要性
理虹は家でテレビを観つつ言った。
「あの、ないでしょ」
「そうよね」
妹の実加も応えた。
「かっとなって殴るとか」
「病院でね」
「しかも四十代の人が」
「ないでしょ」
「何やってるのよ」
妹は姉に話した。
「一体」
「あれでしょ」
理虹は女優のそのニュースを観つつ言った。
「理性がね」
「なかったのね」
「その時ね」
「それでかっとなってなの」
「病院で暴力振るったのよ」
「失礼なことされてもね」
「普通はね」
理虹はさらに話した。
「暴力を振るうなんてね」
「論外よね」
「それって」
ニュースをさらに観つつ話した。
「人としてね」
「どうかよね」
「そうよ、もうね」
それこそというのだ。
「言い逃れ出来ないから」
「逮捕されるわね」
「暴力自体が駄目で」
「まして治療受けてるか何かで」
「そこで暴力はね」
「ないわね、そりゃね」
実加はこうも言った。
「お医者さんや看護師さんに失礼なこと言われて」
「怒ることはあるわね」
「ええ、けれどね」
それでもというのだ。
「暴力はね」
「駄目よね」
「声を荒くさせてもよくないけれど」
「手を出したら駄目よ」
妹に強い声で言った。
「本当にね」
「暴力は駄目ね」
「理性がないと」
妹に呆れた声で話した。
「駄目よ」
「そうよね、けれどね」
実加は自分で言う姉にこう返した。
「お姉ちゃん今飲んでるわね」
「梅酒をね」
紙パックのそれをロックで飲んでいる、つまみは柿ピーである。
「そうしてるわ」
「お姉ちゃん飲んでも変わらないわね」
「あんたもね」
妹も飲んでいるが態度は普段と変わっていない。
「十五になったから飲んでるけれど」
「酒乱の気はないわね」
「二人共ね」
「飲んでもそれならね」
理虹はそれならと話した。
「いいわよ」
「そうよね」
「時々酔うとね」
そうなると、というのだ。
「理性がなくなって」
「暴れる人いるわね」
「酒乱の人いるから」
「そうよね」
「酒乱もね」
「よくないわね」
「この人ひょっとして」
ニュースを観つつ話した。
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