西遊記
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第九回 易者龍王を占うのことその十四
「それぞれの気がです」
「他の四つの気だな」
「それが揃いますと」
「上手くいくな」
「そうなるかと、そして運命を果たされて」
土地神はそうしてと言いました。
「身を立てられて下さい」
「そうしてくるぞ」
「それでは。ただ」
ここで土地神は寂しそうなお顔になりました、そうして悟空に言いました。
「大聖殿とあと少しでお別れですね」
「そうなるな」
「そう思うと寂しいです」
「わしもだ、お主がいてな」
悟空も土地神に言います。
「随分助けられたわ」
「お食事に飲みものに」
「話し相手になってくれてな」
そうであってというのです。
「まことにな」
「助かりましたか」
「うむ」
そうだったというのです。
「わしもな」
「私なぞがですか」
「助けられてな」
随分と、というのです。
「感謝しておる」
「そうなのですね」
「そのお主と別れるとなると」
「寂しいですか」
「わしもな」
そうだというのです。
「実にな」
「そう言って下さいますか」
「心からな。わしが行ってからも元気でな」
土地神をじっと見て言います。
「達者でな、身体にいいものを食ってよく寝るのだ」
「いやいや、神ですから」
土地神は悟空に笑って返しました。
「流石に健康はです」
「乱れぬか」
「死にもしませんし」
「ははは、それはそうだな」
悟空も言われて嗤って頷きました。
「お主も神だからな」
「常に元気で死にませぬ」
「そうだったな」
「ですが名残惜しいのはお互いですね」
「そうだな、本当に達者でな」
「大聖殿も」
「それと山の者達は元気だろうか」
悟空はここで彼等のことを思い出しました。
「猿に魔物達は」
「はい、皆元気だそうで」
「魔王や角王もか」
「楽しく暮らしているそうです」
「そのこともいいことだ、思えばしばらくの間戻っておらんな」
花果山にとです、悟空は思いました。
「ここで罪に服しているしな」
「また機会があれば戻れるかと」
「そして皆に会えるか」
「その時もあります」
「その時が来るのが楽しみだ」
「そうなのですね」
「わしもな、その時は飲むぞ」
そうするというのです。
「酒をな」
「そうされますね」
「それとだ」
悟空はさらに言いました。
「茶もな」
「飲まれますか」
「そうする」
こちらもというのです、そして悟空は土地神に対して茶についてお話をはじめました。自分が思うことをです。
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