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金木犀の許嫁

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第七十話 忍者と武士その九

「戦後歴史学もおかしかったのです」
「日露戦争でそう言う位に」
「そうでした」
 まさにというのだ。
「まことに」
「そういうことですね」
「マルクス主義は何か」
 幸雄は曇った顔で話した。
「私は否定していますし」
「最初からですね」
「忍者にもです」
「あてはめていませんか」
「ソ連がどうなったのかを見ますと」
 この国のことから話すのだった。
「やはりです」
「マルクス主義に否定的になりますか」
「平和勢力と言われていました」 
 マルクス主義即ち共産主義が世界を平和にすると言われていた、だがその見方もソ連自身が否定したことだ。
「それは嘘でしたし」
「スターリンが侵略をしていたので」
「バルト三国やフィンランドに」
「嘘でしたね」
「はい」
 佐京にまさにと答えた。
「そうでした」
「そうですね」
「そして」
 そのうえでというのだ。
「戦後日本のそうした知識人はです」
「マルクス主義を信じていた」
「ソ連が何をしても」
 それこそ満州侵攻があったのにだ。
「醜い詭弁を弄してもです」
「平和勢力と言っていましたか」
「そのことも知っていますので」
「マルクス主義は否定していますか」
「そしてそれを信じる様な人達は」
 そうした知識人達を代表としてというのだ。
「卑しい人が多い」
「そうもお考えですか」
「はい」 
 そうだというのだ。
「実は」
「そうなのですね」
「あまりにもです」
 それこそというのだ。
「彼等は醜悪でした」
「マルクス主義を信じる人達は」
「それを擁護する為に」
「どんなことも言ったんですね」
「醜い詭弁や嘘、居直りを続けました」
「誤りを認めなかったんですね」
「どれだけ犠牲が出ましても」
「その人達のことを考えないで」
「むしろ踏み躙り」
 犠牲者達をというのだ。
「そうしてです」
「居直り続けて」
「そしてです」
「擁護し続けたんですね」
「そうでした」
 まさにというのだ。
「その人達は」
「そうしたことをご存知なので」
「私はです」
「マルクス主義はですね」
「否定していまして」
「忍者についても」
「あらゆる歴史についても」
 忍者だけでなくというのだ。 
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