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西遊記

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第八回 観世音菩薩それぞれの者と会うのことその十一

「これはまた」
「五百年といってもですね」
「神界の五百日で」
「不老不死の神にとっては」
「はい、もうです」
 それこそというのでした、悟空も。
「あっという間で」
「それで、ですね」
「もうと思いました、ただ反省はしたつもりです」
「そうなのですね」
「こうして罰を受けますと」
 そうなると、というのです。
「わしも」
「そうですね、では間もなくです」
「わしの罰は終わり」
「間もなくここに一人の高僧が来ます」
「人のですね」
「はい」
 そうだというのです。
「その者に従い」
「そうしてですか」
「運命に向かわれますか」
「運命ですか」
「それに向かわれ」
 そしてというのです。
「務めを果たされて下さい」
「わしはですね」
「そうです、そして」
 そのうえでというのです。
「僧侶に従いますので」
「ああ、仏門ですね」
 悟空はすぐに察しました。
「そちらですね」
「貴方は今は神ですが」
「それでもですね」
「僧侶に従いますので」
「だからですね」
「それで、です」
 それ故にというのです。
「仏門に帰依してくれますか」
「それなら」
 悟空は素直に答えました。
「そうさせてもらいます」
「その様に」
「いや、神であり仏にもなる」
「そのことはですね」
「面白いですな」
「そう言われますか」
「はい、そして」
 それでというのです。
「これよりです」
「言われますか」
「それではこれより」
「仏門に帰依されて」
「わしは運命に向かいます」
「その様にお願いします」
「はい、しかしわしのこの癖性分ですが」
 悟空はこちらのお話もしました。
「どうしてもです」
「中々ですね」
「変わりません」
 こう言うのでした。
「自分で何とかしようと思いましても」
「貴方は火の気が強過ぎるので」
「それそのものと言っていい位に」
「ですから」
 そうであってというのです。
「これからもです」
「その癖性分は変わらずですね」
「何かとです」
「暴れますね」
「そうなります」 
 自分から言うのでした。
「そのことはどうにもなりません」
「そうですね、ですが」
「それでもですか」
「わしもです」
 まさにというのです。 
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