家族が帰ると絶対に
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第一章
家族が帰ると絶対に
ふわりの家族である国崎家の息子でラーメン屋のチェーン店で日々ラーメンを作っている洋介は仕事が終わってだった。
家に戻ってきた、すると。
「ワンワン」
「ふわり帰ったぜ」
洋介は玄関に駆けて来て彼の前でちょこんと座った彼に笑顔で挨拶をした。
「元気そうだな」
「ワン」
「後で遊ぼうな」
ふわりに笑顔で言った、そしてだった。
靴を脱いで家に上がった、そうしてまずは夕食を食べて風呂に入ってだ。
ふわりと彼女のおもちゃで一緒に遊んだがそこで母の百合子に言った。
「ふわりって絶対に出迎えてくれるよな」
「家族が帰ったらね」
「そうだよな」
「そうした娘なのよ」
百合子は洋介に笑顔で話した。
「ふわりはね」
「家族が帰るとか」
「絶対にね」
「家族を迎えてくれるな」
「家族が好きでね」
ふわりはというのだ。
「愛情を持っているから」
「だからだな」
「毎日ね」
「家族の誰かが帰るとか」
「絶対によ」
「迎えてくれるな」
「そうよ、家族思いなのよ」
息子に彼と一緒に遊ぶふわりを見つつ話した。
「ふわりはね」
「そのことでもいい娘だな」
「ケージの中にいても」
ふわりの家と言うべき場所にというのだ。
「すぐにね」
「家族が帰ったらな」
「寝ていても起きて」
ケージの中からというのだ。
「玄関に駆けていってよ」
「迎えてくれるな」
「そうしてくれるのよ」
まさにというのだ。
「家族が大好きだから」
「そんな娘だな、けれどな」
洋介は母の話を聞いてふわりを見つつ言った。
「そんないい娘をあいつ等はな」
「赤ちゃん出来たら見向きもしなくなってね」
「捨てたな」
「〇点の人に一〇〇点の娘はわからないのよ」
母はきっぱりとして言った。
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