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雄猫との再会

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第一章

                雄猫との再会
 フロリダ州レイクランド在住のボブ=ビソック大柄で髪の毛の薄いグレーの目の彼は会社員で妻と共に暮らしている、彼は今暗い顔をしていた。
「全く、何処に行ったのか」
「ええ、一体ね」
 妻のフローラも暗い顔だ、フローラは白いものが混じっているブロンドの長い髪の毛で目は青い。面長で小柄である。
「本当に」
「まさか去勢手術の時に脱走するなんてな」
「施設のフェンスをよじ登って」
「確かにな」
 仕事を終えてやはり仕事を終えた妻を彼女の職場まで迎えに行ってその迎えた車を運転しつつ話した。
「元々野良猫でな」
「元気な子だけれど」
「まさか手術中で麻酔が効いていて」
「そんな中で脱走するなんて」
「夢にも思わなかったな」
「ええ」 
 まさにというのだ。
「本当にね」
「もう脱走して六日だが」
「何処に行ったのかしら」
「探しているがな」
「何処にいるのかしら」
 こうした話をしながらだった。
 二人で家に帰った、そして。
 家に帰った、大学生の息子は他州の大学に通っているので今は家にいない。そしてドアの扉を開けてだった。
 家に入った、そしてリビングに入ると。
「ンナァ」
「えっ、ジョージか」
「ジョージ?」
 夫婦はリビングのソファーの上でくつろいでいる茶色と白のペルシャ猫の様に長い毛の雄猫を見た、そのうえで驚きの声をあげた。
「戻ってきたの」
「脱走してから」
「施設から結構離れているのに」
「何てことだ」
「しかし戻ってきたならな」
「無事ならね」 
 よかったとだ、二人はほっとしたのだった。
 この話はインターネットを通じて世界で知られた、そして。
 イギリスノークヨークシャー州のハロゲートでこの話を聞いた主婦のジャネット=アダモーウィッチはこの話を聞いて友人にティータイムの時にこの話をしたのだった。 
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