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夢幻水滸伝

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第三百九十七話 提督としてその七

「それで馬も揃えて特に水軍をな」
「充実させていますね」
「訓れもして規律も整えてな」
「強くされましたね」
「その軍、アルゼンチンで最大になった軍それに警察の訓練をな」
 それをというのだ。
「大々的に行ってな」
「宣伝にしますか」
「そや」 
 その通りとだ、インペルは司令に微笑んで答えた。
「そういうことや」
「やはりそうですね」
「力を見せることもな」 
 自分達のそれをというのだ、インペルは自分のその考えを話していくがその目には強い光が宿っていた。
「大事や」
「そうしてですね」
「そや、戦っても勝てへん」
「そう思わせるのですね」
「人は強い相手とは戦うか」
 インペルは問う様にして言った。
「戦わんな」
「喧嘩でもそうですね」
 水兵は少し笑って答えた。
「それは」
「そやな」
「はい、負けるとわかってるなら」
「そう思わせることや、そしてな」
「そして?」
「こっちに入った場合の条件を見せる」
 そうしたことも行うというのだ。
「要するに降ったらな」
「ええことがある」
「悪い様にはならへんことをな」
 このことをというのだ。
「言うんや」
「そうするのですね」
「そうしたらな」
「敵も降りますね」
「そや、それでや」
「これよりですね」
「大々的な訓練、演習を行うで」
 インペルは彼自身が主導して軍と警察の大演習を行った、大軍を動員して一糸乱れぬそれを行ってみせた。
 そしてだ、ラプラタ川流域と南大西洋沿岸部の街や村に使者を送ると。
「どの街も村もです」
「降ってきてるな」
「中には使者を送るまでもなく」
 市長はインペルに彼の執務室で話した。
「降る街や村もあります」
「それで勢力は拡大してるな」
「今インペル様の統治で勢力は日に日に平和で豊かになっていますが」
「そのことも見てやな」
「多くの街や村が降っています」
 そうなっているというのだ。
「そしてです」
「勢力が拡大していってるな」
「ラプラタ川流域でも海岸部でも」
「そやな、アルゼンチンで盤石の勢力になってきてる」
 まさにというのだ。
「それでや」
「ここはですね」
「勢力全体を統治する、それとな」
 インペルは自分の席に座したまま話した。
「パンパの穀倉地帯と牧場もな」
「掌握が進んでいますが」
「万全に治めてな」
「完全に掌握しますか」
「そして穀物や肉も売る」
 そうしたものもというのだ。 
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