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西遊記

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第七回 悟空如来様に封じられるのことその十九

「そのうえで、です」
「あの地に至り」
「人界の東の国に多くのものをもたらします」
「そうなりますね」
「左様です」
 まさにというのです。
「ですからこれからは」
「彼等を見守りましょう」
「金蝉子達を」
「はいですが金蝉子殿は随分真面目でしたね」 
 菩薩はこうしたことをです、釈尊に言いました。
「思えば」
「そうですね、私が教えを言っている時に少しうとうとしただけで」
「それを恥とされ」
「そして罰を与えてくれとまで言うのですから」
「釈尊にそのおつもりはなかったですね」
「誰でも間違いはあります」
 釈尊は微笑んで言われました。
「それを罰するのではなく許すことがです」
「仏門の教えですね」
「そうですから」
 だからだというのです。
「私はです」
「何でもないとされましたね」
「はい、ですが」
 それがというのです。
「彼はです」
「強く言われ」
「人界に生まれ変わりました」
「そうですね」
「その時は悟りを得ず」
「敢えて」
「涅槃を脱し」
 そうしてというのです。
「仏になりませんでした」
「そうでしたね」
「そして」 
 そのうえでというのです。
「これより運命に向かいます」
「そうなりますね」
「そこまでした人なので」
「この度もですね」
「大事を為します、そして」 
 釈尊はさらに話されました。
「大聖を含めて四柱の神々もです」
「共にですね」
「運命に向かい」
「大事を為しますね」
「そうすることも」
 まさにというのです。
「見ていきましょう」
「それでは」
「そして」 
 さらに言われる釈尊でした。
「ことを果たせば」
「その時はですね」
「一行を笑顔で迎えましょう」
「そうすべきですね」
「その時は。今から楽しみです」
「釈尊にしましても」
「実に」 
 そうだというのです。
「そうで仕方がありません」
「そうなのですね」
「ですから」
「これからですね」
「見守りましょう、山あり谷ありの運命ですが」
「誰もがですね」
「大きな実りを得る、また多くの命を救います」
「そうもなりますね」
「仏の教えもです」
 それもというのです。
「果たします、では」
「これよりですね」
「見ましょう」
「それでは」 
 菩薩も頷きます、そうしてでした。
 今は待つのでした、五百年は人にはとても長いです。ですが神仏にとってはあっという間のことでありました。


第七回   完


                   2025・4・1 
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