ハッピークローバー
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第百七十五話 寒くなってきてその三
「暖かくしないとね」
「それじゃあね」
「ガーターストッキングはね」
「着けないっていうか穿かないっていうか」
「言い方はいいわ、どっちにしてもよ」
「普通のストッキングやタイツの方がいいわね」
「冷えたら元も子もないから」
だからだというのだ。
「そこはね」
「しっかりと考えないと駄目ね」
「お洒落もいいけれど」
それでもというのだ。
「一緒にね」
「暖かくしないとね、冬は」
「それで暑いならね」
「涼しくすることね」
「この時は暑かったら」
そうであると、というのだ。
「熱中症にもなるし」
「よくないわね」
「だから暑い時は涼しく」
「無理はしないことね」
「そうよ、無理をしろとか我慢しろって言って」
そうしてというのだ。
「体壊したらね」
「元も子もないわね」
「そう、だからね」
そうであるからだというのだ。
「お母さんは言うのよ」
「冬は暖かく夏は涼しく」
「そうね」
その様にというのだ。
「言っていて実際によ」
「そうしてるわね」
「変な精神論は言わないから」
一切という言葉だった。
「絶対にね」
「昔はそうしたこと言う人いたな」
父は考える顔で話した。
「よくな」
「我慢しろとか?」
「そうだ、根性とか言ってな」
父も一華に話した。
「それでな」
「夏は暑くても我慢して」
「冬もな」
「そうだったのね」
「けれどな」
そうしてもというのだ。
「それで身体を壊したらな」
「元も子もないわね」
「根性も大事だ」
父はその必要性は認めた。
「何かをやろうと思ってな」
「やっていくことは必要ね」
「しかしな」
それでもというのだ。
「変な意地を張ったりな」
「そうしたことで我慢したら駄目ね」
「だから暑かったら涼しくしてな」
そうしてというのだ。
「寒かったらな」
「服を着て」
「暖房も使ってだ」
そうしてというのだ。
「カイロだってな」
「付ければいいわね」
「お母さんの言う通りな」
「暖かいものも食べて」
「そうよ、変な根性論でね」
母はまた言ってきた。
「暖かくなったらよ」
「根性論でいくべきね」
「そうだけれど」
それでもというのだ。
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