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第百七十五話 寒くなってきてその一
第百七十五話 寒くなってきて
朝起きてだ、一華の父はリビングに入りつつ言った。
「冷えてきたな」
「ええ、そうよね」
朝ご飯の用意をしている母もそうだと応えた。
「そろそろね」
「十月も終わりだしな」
「そうなってくるとね」
「やっぱり寒くなってくるな」
「だからね」
妻は夫に言った。
「暖かくしてね」
「さもないと風邪ひくな」
「こうした時が一番危ないでしょ」
「季節の変わり目がな」
「だからね、一華もよ」
既に制服を着てテーブルに着いている娘にも言った。
「むしろあんたは女の子だから」
「身体冷やしたら駄目よね」
「女の子はただでさえ冷えるからね」
「冷え性ね」
「尚更ね」
「気をつけないといけないわね」
「そうよ」
こう言うのだった。
「いいわね」
「それいつも言うわね、お母さん」
一華は自分のご飯にかき混ぜた納豆をかけつつ言った。
「こうした季節になると」
「寒くなって来るとね」
「実際に寒くなっても」
そうなってもというのだ。
「言うし」
「だって本当のことだから」
「女の子は冷え性で」
「冷えたらよくないからよ」
「暖かくしないと駄目ね」
「夏みたいに素足で半ズボンなんてね」
そうした格好はというのだ。
「駄目よ」
「ちゃんとズボンかスカート穿いて」
「タイツやストッキングもよ」
「靴下もよね」
「足は冷やさないことよ」
「腰だって」
「上もね」
「ちゃんと長袖着て」
母に言った。
「それでよね」
「セーターも着るのよ」
「厚着ね」
「冬も健康の為に薄着なんて」
それはというと。
「駄目よ」
「冷えるから」
「そうしたこと言う人もいるけれど」
「厚着の方がいいのね」
「お部屋は暖かくしてね」
そうもしてというのだ。
「そのうえでね」
「暮らすことね」
「特に練る時は」
この時はというのだ。
「掛け蒲団もね」
「厚いのを二枚も三枚もかけて」
「下にも毛布とか敷いてシーツも敷いて」
毛布の上にだ、毛布の上に直接寝るとどうしても毛が問題になるのだ。だからこそシーツは必要なのだ。
「それでよ」
「暖かくして寝ることね」
「そうしないと駄目よ」
「寝る時は特に」
「そうしてね」
そのうえでというのだ。
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