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世界の礎

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第二十二話 管理その十

「学び働きな」
「国の力にもなりますね」
「世界の礎を築くにもな」
 その為にもというのだ。
「同じだ」
「力になってくれる」
「だからだ」
「欧州においても」
「奴隷制は否定してだ」
「解放して」
「民とする」
 そうするというのだ。
「絶対にな」
「奴隷でなくなれば」 
 マハキシュも語った。
「同じ者でもです」
「違うな」
「はい」
 まさにというのだ。
「別人になります」
「それは自分で考える様になるからだ」
「だからですね」
「変わる、実は奴隷は高価な財産でな」
 持つ主にとってはだ。
「無下に扱えないが」
「どうするにしても」
「生贄にもな」
「はい、しようともです」
 帝国は生贄も否定している、だがマハキシュはそれが神々に寄って断られた世界の者として義青に対して率直に答えた。
「思っていました」
「そうだったな」
「ですが」
 それがというのだ。
「神々に捧げるので」
「選ばれるな」
「特別な奴隷を」
「そうなるな」
「そうでした」
「奴隷はそうした財産だ、しかし」
「義青様は否定されますね」
 義青に問うた。
「奴隷については」
「何があろうともな」
「必要という意見があろうとも」
「意見は聞いてもな」
「奴隷制は否定されますね」
「確かにあればいい時もあるだろう」
 奴隷という存在がというのだ。
「労働力が必要ならな」
「それも多くですね」
「そうした時代や地域もある、制度も必要だから存在するのだ」
「奴隷制も然りですね」
「そうだ、しかしな」
 それでもというのだ。
「私としてはな」
「認められないですね」
「最初からな、だから帝国では奴隷は存在しない」
 決してというのだ。
「あらゆる奴隷がな」
「そういえばです」
 ここでイストが奴隷についてこの存在を話した、あらゆる奴隷と聞いてそれで思い出して義青に話したのだ。
「農奴がいますね」
「ロシアに多くな」
「彼等は貴族の領地にいてです」
「ただ農業に従事してな」
「生きていますね」
「まさに奴隷だ」  
 農奴はというのだ。
「貴族の所有物として使われるだけの」
「そうした存在に過ぎないですね」
「当然農奴も認めない」
 帝国ではというのだ。
「ロシアにも進出するが」
「彼等は解放しますね」
「地主は否定しないが」
 彼等はというのだ。 
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