仮面ライダー エターナルインフィニティ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十三話 デートと遊園地と鞘当てその九
「ワーム、ネイティブ達がいるのなら」
「戦う」
神代もだ。その言葉が強いものになった。
「そして勝つ」
「ワームの本拠地はお化け屋敷にあるそうよ」
「それはゼクトの報告だな」
「そうだ。田所さんのザビーゼクターの追跡でわかったのよ」
そのことをだ。岬は神代に話したのである。
「そうしたこともね」
「わかった。それではだ」
「ええ。彼等が何時出て来てもいいように」
「心は身構えておく」
こう言ってだ。神代もまた。
ワームが来るのを待っていた。そしてその中でだ、神代も岬とのデートを楽しんでいた。
そしてだ。彼等がコーヒーカップに乗っている横でだ。
明久と利光もいた。彼等もカップに乗っている。その中でだ。
利光はにこやかに笑っていた。そうしてこう言うのだった。
「これこそ神の配剤だよ」
「神様の?」
「吉井君、楽しいと思わないかい?」
その至福の顔でだ。明久にも言う。
「今この時が」
「楽しいことは楽しいけれど」
それでもだとだ。彼は利光に話す。
「何か今の久保君って」
「僕がどうしたんだい?」
「いや、あんまりにも嬉しそうだかな」
「そうかな。普段通りだけれど」
「だったらいいけれど。後は」
「どうしたんだい、僕達の他に誰かいるのかい?」
「ほら、神代さんと岬さん」
明久はここでその二人を見て話すのだった。
「何かお似合いだよね」
「確かに。何か深い絆が」
「感じられるよね」
「実際にそうなのだろうね」
眼鏡の奥の目を真面目なものにさせてだ。利光は話した。
「神代さんは色々あって岬さんと一緒にいられるようになったから」104
「そうだね。だからだね」
「あの人達の様になれるといいけれど」
利光は明久をちらりと見ながら話す。
「けれどれは」
「難しい。いや」
「そうだね。神代さんの様に重いものを背負わないといけないから」
「お姉さんも自分自身も殺されて」
「そしてワームだったんだ」
神代もだ。それだけ重いものを背負っているのだ。
「今は心も身体も人間だけれど」
「それでもかつては」
「その重い苦しみを乗り越えてきたんだ」
利光にしてもだ。神代のことには素直に尊敬の念を抱けた。そしてだ。
彼はだ。明久に天道のことも話した。
「天道さんもそうなんだ」
「ひよりさんだったよね。妹さんの」
「そう。ひよりさんもまたワームだけれど」
「それでも天道さんはそのひよりさんの為にね」
「全てを捨ててでも護ろうとしたんだ」
「普通の人にはとてもできないね」
明久もだ。そのことはよくわかった。天道や神代の持っているものの重さと凄さは。
「それに風間さんも」
「あの人も同じだね。愛した人がワームで」
「そしてその人を」
「その手で倒さざるを得なかった」
ライダーとしてだ。そうしたのだ。
「凄いことだよ」
「僕にはできないよ、そんなこと」
「僕もだよ」
二人共俯いて話す様になっていた。
「僕も。そういう人がいたら」
明久の脳裏に二人浮かんだが彼はそのことに気付かない。
「とても」
「吉井君を撃つなんて僕には」
そして利光はこう言うのだった。
ページ上へ戻る