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金木犀の許嫁

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第六十九話 忍者の現実その十二

「目立つと駄目です」
「そこからばれるから」
「そうです、それこそモブですね」
「わかりやすいわね」
 モブと言われてだ、真昼は思わず笑って返した。
「探している相手から見てなのね」
「はい、目立たないことが大事です」
「モブはそういうことね」
「そうです、目立たなくて」
 そうしてというのだ。
「相手に気付かれないうちにその場を去る」
「それが大事なのね」
「変装は」
「目立たないことね」
「そこを気を付けて」
 そうしてというのだ。
「やるものです」
「成程ね」
「あと忍者装束で普通に旅することもありました」
 幸雄はこのことも話した。
「普通にです」
「目立たないですか」
「そこは山の中を進んだりしますので」
 真昼にそうすると話した。
「問題ないです」
「表の道を歩かないからですね」
「そして表の道も夜に進むと」
「人がいないので」
「そこで忍者の服ですと暗い色ですから」
「目立たないですか」
「だからです」
 それでというのだ。
「忍者の服もです」
「よかったんですね」
「はい」
 そうだったというのだ。
「夜はです」
「そして山の中ですと」
「よかったのです」
「そうだったんですね」
「そうしたこともです」
 幸雄は微笑んで話した。
「忍者で」
「学ぶことですね」
「はい、そして」
 そうであってというのだ。
「この資料館もこうして入って」
「何度でもいいですね」
「学びましょう」
「わかりました」
 真昼も夜空も頷いた、そうして白華がお見合いをしている間四人で再びこの資料館で学んでいくのだった。


第六十九話   完


                     2025・4・8 
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