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西遊記

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第七回 悟空如来様に封じられるのことその六

「我等もです」
「出陣しましょう」
「これより」
「お待ち下さい」
 ですがここで遠くから声がしました。
「戦よりもいいことがあります」
「その声は」
 真君も他の神々もすぐにわかりました。
「貴方様ですか」
「はい、私がこれよりです」
「行かれますか」
「まずは帝をお止めしまして」 
 そうしてというのです。
「そのうえで、です」
「赴かれますか」
「はい」
 そうするというのです。
「これから」
「そうですか」
「はい、ですから」
「私達はですね」
「ここは私に任せて下さい」
 優しくとても穏やかな声でした。
「いいでしょうか」
「はい」
 真君は他の神々と共に一礼して答えました。
「貴方が出られるのなら」
「それならですか」
「是非です」
 まさにというのです。
「そうさせて頂きます」
「それでは」
「ではこれよりですね」
「まずはです」
「万歳老の御前に行かれ」
「ご出陣をお止めします」
「それでは」 
 真君も他の神々も戦を止めました、そしてその方は天帝の宮殿に赴かれました、その時帝は五色に輝く鎧兜とマントを身に着けられ。
 青龍偃月刀を手にされました、そうして言われるのでした。
「三太子は下がらせてだ」
「そうしてですか」
「万歳老ご自身がですか」
「出陣してな」
 そうしてというのです。
「朕自ら大聖を倒す」
「そして裁きとする」
「そうされますか」
「これより」
「そうするとしよう」
 帝は厳粛な面持ちで言われました、ですがここで帝の御前にある方が出られそのうえで言われました。
「帝、ここはご自重頂けますか」
「おお、釈尊ですか」
 帝はお釈迦様に畏まって応えられました、お互いにそうなっています。そのうえでさらに言われるのでした。
「ようこそ来られました」
「はい、実は斉天大聖のことですが」
「これより朕自ら裁きます」
「武力で以てですね」
「そうする所存です」
「帝でしたらあの者も何なく倒せます」 
 釈尊は微笑んで言われました。
「間違いなく」
「ですから」
「いえ、それでもです」
「ここはですか」
「私に任せてくれますか」
「釈尊にですか」
「あの者は戦好きですね」 
 悟空はというのです。 
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