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一度に飲む量は多くても

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第二章

 飲むのは一週間に一回程だった、それで公望は知己と仕事帰りに食べ飲み放題の居酒屋で飲みつつ尋ねた。
「飲むのは一週間に一回位だね」
「お酒をね」
 知己は和風の個室の中で向かい合って座って一緒に飲んでいる彼に応えた、ビールを飲み目の前には枝豆がある。
「それ位ね」
「好きでもなんだ」
「缶ジュース買う位の感じでストロング系も買えるけれどね」
「安くて沢山飲めるね」
「ええ、けれどね」
 それでもというのだ。
「お金は大丈夫でも」
「飲むのは制限しているんだ」
「好きでも飲み過ぎるとね」
「身体に悪いね」
 公望はホッケを食べつつ応えた。
「お酒は」
「そのことはわかっているから」
 だからだというのだ。
「自分でセーブしてるの」
「飲まない日も多くしているんだ」
「飲むのは週一回位にして」
 それでというのだ。
「セーブしているの」
「そうなんだね」
「ええ、お酒はね」
 これはというのだ。
「飲み過ぎたら身体に悪いから」
「そのことは言うまでもないね」
「だからそうしているの」
「自分から」
「健康はまず自分が気を付けないと」
 知己はこうも言った。
「まして私はかなり飲むから」
「そのことを自覚しているから」
「週一回位にしているの」
「そういうことだね」
「ええ、それで今日は飲むから」
「どんどん飲むね」
「そうするわ、ビールを飲んだら」
 その後はというのだ。
「今度は焼酎飲むわ」
「そうするね」
「卵焼き頼んでね」
 それを肴としてだ、こう話してだった。
 実際に焼酎も飲んだ、知己はこの日もかなり飲んだ。だがそこからまた暫く飲まない様にした。そうして自分の健康を保つのだった。


一度に飲む量は多くても   完


                   2025・6・16 
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