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星河の覇皇

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第八十八部第四章 当直任務の様にその八十三

「ダブルスパイを多く持ってくれるでしょう」
「それも優秀な」
「弱みは見せる方が悪い」 
 ディカプリオは敢えて冷淡にこの言葉を出した。
「左様ですね」
「政治においては」
「それを衝かれても」
「見せる方が悪く」
「あってもです」
 それでもというのだ。
「見せる方がです」
「悪いですね」
「その通りですね」
「はい、弱みを衝くのは常です」
 八条も政治家だ、それ故にこうしたこともわかっていて言うのだ。
「まさに」
「では」
「それならですね」
「エウロパに対しても」
「その様にしてです」
「ダブルスパイをもうけていき」
「彼等を利用してです」
 そうしてというのだ。
「情報を収集しましょう」
「それでは」
「そしてです」
「マウリアのですね」
「彼等もです」
「スパイにしますか」
「密かにエウロパに彼等を雇い」
 そうしてというのだ。
「諜報機関を作成しようともです」
「考えていますか」
「情報部としては」
「そうしてですね」
「情報を集めようと考えています、こちらからも」
「エウロパの者と」
「マウリアの者から」
 八条に深く考える顔で話した、青と碧のオッドアイも不思議な光を放っている。それはまるでサファイアとエメラルドの様だった。
「両方からです」
「エウロパを見ますね」
「そしてバチカンからも」
「そちらのルートでは工作員は警戒されていますね」
「何しろ彼等がしてきたことです」
 他ならぬエウロパの方がというのだ。
「ステッラ然りです」
「それがエウロパ戦役の発端になりましたし」
「自分達がすることはです」
「敵もする」
 八条はこの言葉を出した。
「そうするものです」
「人間は自分がやることは相手もと考えます」
「ですからバチカンからのルートは」
「かなり警戒されますね」
「ですからこちらは期待薄かと」
「しかもです」
 八条はディカプリオに話した。
「実はエウロパの方で」
「まさかと思いますが」
「そのまさかです、教皇をです」
「立てるつもりですか」
「そう考えている様です」
「教会の分裂ですね」
 ディカプリオはその話を聞いて今度は眉を曇らせて述べた。 
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