星河の覇皇
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第八十八部第四章 当直任務の様にその八十二
「エウロパの動き、内情を」
「熟知し」
「戦略を練りましょう」
「そうすべきですね」
「知ってこそ」
そうであってこそというのだ。
「戦略も立てられます」
「敵を知り己を知ってこと」
「そうしてこそ」
「ではですね」
「エウロパの者は祖国への忠誠心が強いです」
八条はその流麗な目を鋭くさせて言った、鋭くなってはいるがその目も人相も決して悪いものになってはいない。
「それもです」
「かなりの域ですね」
「確かに一人一人程度があり」
「中にはそれが薄い者もいますね」
「はい、ですが」
往々にしてというのだ。
「エウロパの者は祖国即ちエウロパへの忠誠心が強く」
「そうしてですね」
「それは我々よりもです」
「連合の者達の連合そして祖国への忠誠心よりも」
「愛国心と重なりますが」
ここでは国家への忠誠心と愛国心を同じものとして話している。
「それはです」
「連合のものより強く」
「ダブルスパイにするにしましても」
「買収位ではですね」
「そうそうならないでしょう」
「ではですね」
「はい、弱みを握り」
そうしてというのだ。
「そのうえで」
「脅迫ですね」
「そうしてです」
「ダブルスパイに仕立てることですね」
「奇麗な方法ではありません」
八条はこのことも認めた。
「やはり」
「それは否定出来ません」
ディカプリオにしてもだった。
「やはり。ですが」
「それも連合の為であり」
「そうすることもです」
「時として必要ですね」
「それが政治ですね」
「まさに」
八条はその通りだと答えた。
「私はこうしたことは。買収もですが」
「使われませんね」
「どうしても」
心理的に抵抗があってだ、このことが八条を正統派それも王道の政治家とさせていて評させている理由である。
「苦手で」
「ではこうしたことはです」
「情報部がですか」
「全て行います、軍では」
「左様ですか」
「そしておそらくです」
「外務省もですね」
八条は連合の外交を担うこの省の名前も出した。
「そうしますね」
「むしろ外務省の方がです」
「こうしたことはですね」
「得意で」
それでというのだ。
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