| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三百九十六話 三方から追い詰めその五

「かなりまずい」
「アルゼンチン北西部の大都市で要衝です」
「そやからな」
 そうした街が敵の手に落ちると、というのだ。
「戦局に影響が出るわ」
「そうなることは確実です」
「そこからアルゼンチンをどんどん攻めることも出来ればな」
「チリも伺えます」
「ガブリエラちゃんは十万の兵を率いてる」
 アレンカールが任せている戦力である。
「その十万は大きいわ」
「アルゼンチンに向けてもチリに向けても」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「もうこれはな」
「考えるべき状況ですね」
「これでサンタフェやパラナを陥落させられるとな」
「もう、ですね」
「終わりや、その二つの街にアレンカールが来てるし」
「そこで負けますと」 
 リョサはそうなると、と話した。
「もうですね」
「考えるべきかもな」
「その状況ですね」
「もうな」 
 こう言った、そしてだった。
 インペルはリョサとの話も終えコルドバからの大きな道がつながっているロザリオにリオクアルドにも備えの兵を送ってだった。
 十万の兵でサンタフェ、パラナに向かい籠城に入った。そのうえでアレンカール達を迎え撃つことにした。
 彼等の軍は程なくして来た、インペルはその大軍を見て将兵達に話した。
「二つの街が連携してな」
「敵にあたりますね」
「川の両岸において」
「そうしますね」
「川は水軍で守る」
 この戦力でというのだ。
「それこそ船と船を連ねてな」
「橋にもして」
「そうして行き来出来る様にもして」
「移動もしますね」
「その水軍もや」
 彼等もというのだ。
「戦うで」
「敵を迎え撃つ」
「そうしますね」
「これから」
「そうや、何としても守る」
 絶対にというのだ。
「ええな」
「はい、ここはです」
「何としても守りましょう」
「二つの街を」
「そうするで」
 ここで負けてはならない、インペルは強い覚悟を以てアレンカール達を迎え撃った、そしてアレンカール達はというと。
 両岸の街をそれぞれ囲んでだ、仲間達に話した。
「パラナは五万の兵を置いてね」
「そうしてサンタフェを五十五万の兵で、ですね」 
 セスペデスが応えた。
「攻めますね」
「そうするわ、戦力は集中させる」
「それが鉄則ですね」
「街が二つあって連携し合っているのなら」
 今回の様にというのだ。
「まずはね」
「片方を攻め落とすことですね」
「集中してね、そして大事なのは」
 それはというと。
「敵の連携を絶つかことよ」
「それでは」
「川にいて橋の様になっている敵の水軍をよ」
 その彼等をというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧