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おぢばにおかえり

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第八十五話 奈良市その二十六

「私本当によく知らないから」
「奈良県のことを」
「そうしてね」
「それじゃあ」
「新一君ってこうした時親切よね」 
 私はここで思いました。
「嫌いじゃない人には」
「はい、自分でも思います」
「そうよね」
「嫌いな人にもこうしたら」
 こうも思いました。
「全く違うわよ」
「人としてですか」
「私だけでなくね、それね」
「それで?」
「これからだけれど」
 私はあらためて言いました。
「今日はもう帰るの?」
「いい時間だからですか」
「ええ、そうする?」
「商店街と東大寺と春日大社行ったら」
「もういい時間になったわね」
「おぢばに帰ったら丁度お昼ですね」
「そうなるけれど」
 新一君にこのことをお話しました。
「どうするの?」
「帰りますか」 
 新一君は私にすぐに答えました。
「もうこうした時はです」
「帰るのね」
「何度も行かせてもらおうってお話してましたし」
「じゃあ今回はこれまでね」
「次の休日に」
 その日にというのです。
「また奈良に来ましょう」
「それじゃあね」
「興福寺や若草山に行って」
 そうしてというのです。
「唐招提寺にも行きましょう」
「鑑真さんの」
「はい、あそこにも」 
 私にお顔をむけて言ってきました。
「そうしましょう」
「色々な場所に行くのね」
「いいですよね」 
 今度はこう尋ねてきました。
 
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