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西遊記

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第六回 悟空二郎真君と戦うのことその二

「これよりな」
「万歳老ご自身がですか」
「うむ、折角来てくれたのだからな」 
 それでというのです。
「だからな」
「それで、ですか」
「話そう、よいな」
「そこまで言われるのなら」
 菩薩も受けました、そして悟空が何をしてそのうえで戦になるということを知りました。そのうえで言いました。
「だからこそ私の弟子が出陣したのですね」
「木吒がな」
「斉天大聖と戦うことは知っていましたが」
「前に戦ったこともだな」
「はい、ですが」 
 それでもというのです。
「その様な悪戯をしたとは」
「今回は見過ごせないのでな」
「神々に率いさせ」
「十万の兵でだ」
「懲らしめられますか」
「神だから死なぬが」 
 悟空はというのです。
「ここはきつくな」
「お仕置きを与えるのですね」
「一度首でも切ってだ」 
 そうしてというのだ。
「それを罰としたい」
「首を切れば痛いですし」
「いい罰だ」
 死なずともというのです。
「だからな」
「それを裁きとし」
「そしてだ」
 そのうえでというのです。
「また務めてもらう」
「そうお考えですか」
「全く、神界にもやんちゃ者は多いが」
 それでもと仰る帝でした。
「あの者はな」
「これまでにないですね」
「哪吒三太子よりもだ」
「やんちゃですか」
「うむ、さらにな」
「それはまたかなりですね」
「だから容赦せずな」
 この度はというのです。
「そうする」
「わかりました、では私はまずは愛する弟子の活躍をです」
「見守るか」
「私には過ぎた弟子です」
「木吒二太子はか」
「きっと見事な活躍をしてくれます、ですが」
「それでもだな」
「斉天大聖は強いです」
 菩薩もご存知でした。
「非常に。ですから」
「一騎打ちでは勝てぬな」
「あの者で勝てますのは」
 一騎打ちでというのです。
「哪吒三太子で互角でありそれこそです」
「朕の甥二郎真君だけか」
「そうなります、まさか万歳老が出られる訳にはいきませんね」
「うむ」
 それはとです、帝も答えられました。
「流石にな」
「太上老君も西王母も」
「どうもな」
「仏界ですと釈尊の様な方々では勝てますが」
 一騎打ちでもというのです。 
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