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八条学園騒動記

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第八百三話 和歌を詠む位その四

「同じだしね」
「吉良家ってあれよね」
 七美もこの家について話した。
「上野介さんの」
「そう、元々松平家の主筋だったのよ」
「三河の守護で」
「将軍継承権も持っていたのよ」
 室町幕府のそれをだ。
「それで今川家もね」
「将軍継げたのよね」
「家柄は連合では意味ないけれど」
「当時はもの言ってね」
「もう名門中の名門だったのよ」
 彰子は今川家をこう表現した。
「だから今で言うとね」
「大企業よね」
「八条家程じゃないけれど」 
 自分達の通っている学園の経営家、連合屈指の巨大グループも経営しているこの家程ではないというのだ。
「それでもね」
「名門よね」
「八条家を幕府としたら」
 この場合は江戸幕府である。
「三菱かしら」
「あそこね」
 このグループはこの時代も存在しているのだ。
「あそこも大きくて」
「日本でも有名でしょ」
「企業グループとして」
「それで」
 そうであってというのだ。
「今川家もね」
「かなりの名門で」
「氏真さんはそこの嫡男で」
 跡継ぎであってというのだ。
「蹴鞠と剣術に秀でていて」
「スポーツマンで」
「ちゃんと内政もやっていて」
「経営手腕あって」
「気さくな愛妻家で人を見る目もある」
「人格も登用も出来るわね」
「それでね」
 そうした要素に備えてというのだ。
「和歌も詠む」
「教養もある」
「かなりスペック高いわね」
「傍から見るとね」
「義元さんの敵討ちよりも」
 桶狭間の大敗北が大きかったことは事実でだ。
「勢力の立て直しにね」
「かかっていたわね」
「けれど相手が悪過ぎて」
「つくづく武田家と徳川家両方なのがまずかったわね」
「どっちも強過ぎるから」
 尚氏真は家康の律義さも見抜いてはいた、だから叛乱を起こした際は信じられず乱心と言いその後で頼った時に家康なら危害を加えないとわかっていたのだ。
「仕方ないわ」
「武田家はないわ」
 七美はきっぱりと言い切った。
「戦国最強軍団でしょ」
「そうよね」
 彰子も否定しなかった。
「武将強くて兵士もね」
「強くてね」
「しかも信玄さんだから」
「滅茶苦茶強いわよ」
「まさに戦国最強ね」
「謙信さんでないとね」
 それこそというのだ。
「正面から戦えないわよ」
「だから信長さんも氏康さんも決戦避けたし」
 織田信長、北条氏康のことである。 
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