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夢幻水滸伝

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第三百九十五話 パンパの野戦その六

「守ることも手よ」
「それでここで陣を敷いて」
 セスペデスはそれでと話した。
「戦うのですね」
「川の方もね」
「機雷を敷いて敵の水軍を止めて」
「そうしてね」
 そのうえでというのだ。
「戦うのよ」
「そうですか」
「勝つわよ、絶対に」
「そして勝って」
「そのうえでね」
 アレンカールは勝利を収めてからのことも話した、それからのことを考えたうえで戦を進めているのだ。
「南下を続け目指すは」
「ブレノスアイレスですね」
「そうよ」
 セスペデスにその通りだと答えた。
「最終的にはね」
「あの街に入城しますね」
「若しくはね」
「インペルさんを降しますね」
「そうするわ、戦は殲滅戦でなくてもええのよ」
「政治的目的を達成すればええですね」
「あたい達はインペルちゃん達を降してね」 
 その政治的目的のことも話した。
「そしてね」
「インペルさん達を仲間にするのですね」
「アルゼンチン、チリ、ウルグアイも掌握するわ」
「即ち南米の統一ですね」
「それが目的であってね」
「目的を達成すればよし」
「そうよ」 
 まさにというのだ。
「それが出来ればよくて」
「敵を滅ぼすことが目的やないですね」
「そうよ、そやからね」
「インペルさん達が降ればよしね」
「あの子達が負けた、勝てないって確信して」
 そうしてというのだ。
「それで降ったらね」
「ええですね」
「そうであってね」
 それでというのだ。
「ほんまね」
「敵を滅ぼす必要はないですね」
「この度の戦は」
「その通りよ、そやから今度の戦は」
 マリアとイザベルにも話した。
「敵の四倍の戦力で戦って」
「完全に勝つ」
「そうなることを目指すのですね」
「そうよ、ほなそういうことでね」 
 その戦略を念頭に置いてというのだ。
「陣を敷いてね」
「敵を迎え撃ち」
「そして戦いますね」
「そうするわ」
 こう話してだった。
 アレンカールはセスペデスと彼が率いてきた十万の兵を加えたうえでこれはという場所に布陣した、東岸にも兵を置き川には機雷を置いて機雷原としてだった。
 インペルと彼が率いる軍を待った、インペルはアレンカールの読み通り攻撃は最大の防御だとアレンカール達と戦う為に軍を進ませていたが。
 その報告を聞いてだ、彼は川をさかのぼる艦隊の中の旗艦において言った。
「機雷を敷かれると」
「迂闊には進めないですね」
「あるというだけで」
「そのことがはっきりしたなら」
「アレンカールさんや」 
 敵の司令官はというのだ。 
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