金木犀の許嫁
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第六十八話 すき焼きも食べてその十一
「うちの学校にもね」
「八条学園妖怪の話が多いからな」
「幽霊もね」
「それでな」
そうであってというのだ。
「佐京達も知っているな」
「うん、けれど妖怪は愛嬌があってね」
「怖くないな、しかしな」
それがというのだ。
「バケモノは違うんだ」
「心がそうなっていて」
「邪悪と言うならな」
「バケモノは邪悪だね」
「そうだ、そしてな」
そうであってというのだ。
「本当にどんな悪事だってしてな」
「小さな子供も虐待して」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「平気でいるんだ」
「酷いね」
「そんな親になったら駄目だ」
「全くだね」
佐京もその通りだと頷いた。
「そうなったら終わりだから」
「そう思うならな」
「努力していくよ」
「結婚する前もそれからも」
「絶対に」
「何で小さな子を虐待出来るのか」
首を傾げさせてだ、夜空は言った。
「わからないです」
「そうよね」
真昼も言った。
「暴力自体が許せないし」
「まして小さな子を虐待するなんてね」
「絶対にしてはいけないわ」
「本当にね」
まさにというのだった。
「何も出来ない相手に。どうせならね」
「どうせなら?」
「猛獣相手に振るったらいいのに」
暴力をというのだ。
「いいのに」
「それいいわね」
まさにとだ、真昼も頷いた。
「どうせならね」
「そうよね」
「暴力振るうならね」
「猛獣を殴って蹴って」
「やり返されたらいいのよ」
酒を飲みつつ言った。
「そうなったらね」
「虎とか熊とかね」
「特にいいのがシロクマよ」
ホッキョクグマだというのだ。
「物凄く大きくて強いから」
「確実にやり返されるわね」
「というか殴って蹴りたいのなら」
そう思うならというのだ。
「ボクシングとか空手とかね」
「やればいいわね」
「そうしたらいいわ」
絶対にというのだ。
「本当にね」
「その通りよね」
「そうです、武道を正しく行っているなら」
幸雄も言ってきた。
「それならです」
「暴力なんて振るわないですね」
「そうです」
真昼に豆腐を食べてから答えた。
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