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金木犀の許嫁

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第六十八話 すき焼きも食べてその二

「すき焼きにはお酒ですね」
「あると最高よね」
「日本酒でもビールでも」
「ワインでもね」
「いいですよね」
「本当にね」
「白華さんよく飲むね」 
 その彼女にだ、豊が言ってきた。
「昨日の夜もだったけれど」
「甘いお酒限定ですが」
 甘口だという白ワインを飲みつつだ、白華は豊に答えた。
「好きでして」
「よく飲むんだ」
「はい」
 実際にというのだ。
「私も」
「そうなんだ」
「駄目でしょうか」
「いいと思うよ」
 豊は笑顔で答えた。
「とてもね」
「そうですか」
「お酒を飲めたらその分楽しめるから」
 だからだというのだ。
「いいと思うよ。ただ飲めなくてもね」
「それでもですか」
「それなら別のものを飲めるしね」
「ジュースとかですね」
「それで楽しめるから」
 その場合もというのだ。
「いいと思うよ」
「どちらでも」
「僕中日ファンだけれど」
「伊賀も東海だからですね」
「だから野球はね」
 こちらはというのだ。
「中日ファンの人が多くて」
「豊さんもですね」
「そうだけれど」
 それでもとだ、豊はさらに話した。
「野村克也さも好きだったんだ」
「偉大な知将ですね」
「名キャッチャーでスラッガーでね」
「凄い人でしたね」
「その野村さんお酒飲めなかったんだ」
 下戸であったという。
「どうやらね」
「そうだったのですね」
「野村さんもそうでそうした人も多いし」
「お酒は強弱ありますね」
「だから飲めなくてもいいよ」
「そこは人それぞれですね」
「それでね」
 さらに話すのだった。
「飲めるならね」
「飲んで楽しむことですね」
「こうしてね」
 豊は笑顔で飲んで話した。
「般若湯をね」
「仏教ではそう言いますね」
「そう、そして」 
 それにというのだ。
「僕もよく飲むよ」
「そうですか」
「お好きですね」
「おおっぴらじゃないけれどね」
「未成年ですからね」
「その点八条町はいいよね」 
 白華達が暮らしているこの町はというのだ。 
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