ドリトル先生とサーカスの象
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第一幕その二
「いい人と悪い人がいて」
「いい団体と悪い団体がある」
チーチーはジップに続きました。
「そうしたものだしね」
「さて、どういった団体かな」
老馬はとても気になっています。
「果たしてね」
「うん、とても生きものや団員の人達を大切にしてね」
先生は皆に微笑んで答えました。
「お客さんへのサービスもいい」
「いい団体なんて」
「八条グループって全体的にホワイトだけれど」
「サーカス団もなんだ」
「そうなのね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「ちゃんとね」
「やっていくといいね」
「そうだね」
「それじゃあね」
「先生としてもなのね」
「協力させてもらいたいとね」
その様にというのです。
「考えているよ」
「そうなんだね」
「それじゃあね」
「サーカス団に協力して」
「力になろうね」
「そうさせてもらうよ」
先生は笑顔で言いました、そうしてです。
皆にそのサーカス団のお話をします、ですが。
お家でトミーと王子それにマシュー=マグに晩ご飯のカレーを食べながらお話をしました。王子は執事さんと一緒です。王子達は先生にお呼ばれして一緒に食べています。
そしてです、マグは先生のお話を聞いて言いました。
「あそこのサーカス団はいいですがね」
「それでもだね」
「最近サーカスも問題になっていますよね」
先生にカレーを食べつつ真剣なお顔で言いました。
「生きもののことで」
「アメリカとかでね」
「ありましたよね」
「うん、子供の象のことでね」
先生は悲しいお顔になって答えました。
「問題が起こったね」
「子供の象を徹底的に酷使して」
「死なせたね」
「ケリーって子でしたね」
「そうだよ」
先生は悲しいお顔のまままた答えました。
「まだ三歳だったのにね」
「とんでもなく厳しい躾とショーの強制で」
「身体も心も壊れてね」
そうなってというのです。
「そしてね」
「その結果でしたね」
「衰弱しきってね」
「死んでしまいましたね」
「そんなことがあったよ」
「象の耳の後ろを鉤爪のある棒で叩いたらね」
王子はお顔を顰めさせて言いました。
「物凄く痛いよ」
「象の耳の後ろはとても敏感だからね」
「何かあるとだよね」
「そのサーカス団ではそうしていたんだ」
「他の象もだね」
「子供の象だってね」
「確か最初に何週間もずっと立たせるんだったね」
「そうだよ」
そうしていたというのです。
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