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ハッピークローバー

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第百七十三話 牛乳その九

「それで自分は小さいと思っていたらな」
「街に出たら大きかったのよね」
「何でもフランスの山奥で樵をしていて」
 元々はポーランドからの移民だったという。
「一家だけで暮らしていてな」
「一家の中で一番小さくて」
「そう思っていたんだy」
「自分は小さいって」
「それが街に出たら大きくてな」
「そこからプロレスラーになったのね」
「もう滅茶苦茶食べたらしいな」
 その体格故にというのだ。
「今の俺なんか比較にならない位な」
「二メートル以上あってプロレスやってて」
「尋常な人じゃなかったからな」 
 だからだというのだ。
「その食べる量もな」
「凄くて」
「それでな」 
 そうであってというのだ。
「とんでもない量食ってお酒もな」
「物凄く飲んでたのね」
「みたいだな、あの人みたいに大きくなりたかったんだよ」
 鳴海はその頃の自分を思い出して話した。
「子供の頃はな」
「そうだったのね」
「けれどな」
 それでもとだ、鳴海は話した。
「流石に無理だしな」
「あそこまで大きいと」
「ああ」
 とてもというのだった。
「無理だしなってもな」
「あちこち頭ぶつけるわね」
「ベッドだってな」
 寝る場所もというのだ。
「ないだろ」
「お布団もね」
 かな恵は日本のこちらを出した、彼女は家ではベッドで寝ているが家には布団もあってそれで言ったのだ。
「ちょっとね」
「ないよな」
「馬場さんでもね」
「絶対に足出るよな」
「敷き布団でもね」
「そうなるからな」 
 だからだというのだ。
「アンドレさん位になったら」
「お布団ないわね」
「べッドもな」
「特注になるわね」
「あれだろ」
 鳴海はこうも言った。
「レスラーの人はな」
「そのことも問題ね」
「そうだろ」
 まさにというのだ。
「そこまで考えるとな」
「大き過ぎてもなのね」
「大谷さんだって苦労したかもな」
 この人もというのだ。
「本当に二メートルあるならな」
「それなら」
「ベッドだってあまりなくてな」
「日本人ってそこまで大きい人少ないし、いえ」
 ここでかな恵はこう言った。 
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