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星河の覇皇

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第八十八部第四章 当直任務の様にその六十

「だからこそね」
「爵位に関係なくですね」
「従うものよ、総統はね」
「国家元首であられ」
「ローマ帝国で言うと皇帝よ」
「ローマ皇帝ですね」
「世襲でなく選挙で選ばれるけれど」 
 それでもというのだ。
「その立場はね」
「皇帝ですね」
「ええ、そうよ」
 まさにというのだ。
「そうした立場であられるから」
「貴族もですね」
「そして王も」 
 エウロパ各国の国家元首達もというのだ。
「どうしてもね」
「従いますね」
「忠誠を違うわ」
 そうするというのだ。
「必ず」
「左様ですね」
「それこそがね」
 まさにというのだ。
「貴族よ」
「忠誠を誓うこともまた」
「エウロパという国に対して」
「そういうものよ、まあ言いたいことはね」
 モニターに映る連合軍の艦艇を見ながら言った、どの艦艇もエウロパ軍から見れば巨大でかつ装備もかなりのものだ。
「言わせておくわ」
「彼等に」
「大器は些細なことは気にしないわ」
「小者の言葉もですね」
「連合は大衆ではないのよ」
 侮蔑に満ちた言葉で言い切った。
「そうではなくね」
「衆愚ですね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「彼等はね」
「それに過ぎないですね」
「そう、だからね」
「衆愚の言うことはですね」
「一切ね」
「気にしないことですね」
「気にするだけ無駄よ」
 こう言うのだった。
「時間と労力のね」
「だからですか」
「そんなことを気にするよりも」
「他のことをですね」
「気にしてね」
 そうしてというのだ。
「そちらのことを考えて身体を動かす」
「そうすべきですか」
「彼等の言葉で下らないものはね」
 実のあると思われる言葉なら別だがというのだ。
「聞かずその聞く時間すらね」
「他のことに向けるべきですか」
「仕事か」
 今しているそれか、というのだ。
「若しく学問かスポーツよ」
「そちらに労力を割くべきですか」
「貴族は生涯学び鍛えるものよ」
 全てはノブレス=オブリージュ高貴なる者の義務を果たすべきだ。エウロパ貴族にはそれが求められるのだ。 
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