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金木犀の許嫁

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第六十七話 白華のお見合いその十

「歴史も感じられるよ」
「そうよね」
「うん、それでいいお肉だったら」
 すき焼きの牛肉がというのだ。
「もうね」
「最高よね」
「そうだよね」
「すき焼きは神のご馳走です」
 白華はにこりと笑って述べた。
「まさに」
「そうだね」 
 佐京も妹に応えた。
「そこまで言っていいね」
「そうですね」
「美味しくて栄養があるよ」
「お肉もお野菜もお豆腐も入っていて」
「だからね」
 それでというのだ。
「白華の言う通りだよ」
「神のご馳走です」
「そうだよね」
「あんないい食べものはないですね」
「俺もそう思うよ」
「牛肉のお料理はステーキもいいですが」
「すき焼きもいいよね」
 こちらもというのだ。
「やっぱり」
「そうですよね」
「だから楽しみだね」
「はい、凄く」
「今夜も楽しもう」
「そうしましょう」
 笑顔で話した、そしてだった。
 実際にすき焼きを食べに行った、その時には幸雄も帰ってきていてそのうえで豊にも声をかけたのだが。
 豊は誘われてだ、驚いて言った。
「僕もなんだ」
「はい、お見合い前ですが」
 それでもとだ、白華は彼に話した。
「家族ということで」
「それでなんだ」
「そうです」
「一緒にだね」
「行きましょう」
「いいのかな」
 それでもとだ、豊は言った。
「それでもね」
「遠慮しなくていいよ」
「是非来てね」 
 佐吉と神世も豊に言った。
「そうしてね」
「そして一緒に食べよう」
「私も呼ばれていますし」
 幸雄も言ってきた。
「宜しくです」
「一緒にですか」
「行きましょう、あと私もお金を出します」
 幸雄は自分もと話した。
「私は大人ですので自分の分はです」
「出されるんですね」
「それが大人だとです」 
 その様にというのだ。
「考えていますので」
「だからですか」
「はい」
 それ故にというのだ。
「私の分はです」
「いいんだけれどね、それ位」
「幸雄さんも私達のお家で暮らしているし」
 白華達の両親がまた言ってきた。
「それじゃあね」
「いいのにね」
「いえ、そういう訳にはいきません」 
 幸雄は微笑んでだが確かな声で答えた。 
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