西遊記
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第五回 悟空蟠桃園暴れるのことその三
帝は神界の大臣達と悟空にどうしたお仕事をさせるべきかお話をしました、そしてその結果でした。
「では蟠桃園を任せよう」
「あの園の管理ですね」
「それをさせよう」
木星に答えました。
「あの地は神界でも大事だ」
「仙桃が多く実っているので」
「だからだ」
それ故にというのです。
「これまでは見る者がいなかったがな」
「これを機にですね」
「あの者に任せよう」
「それを仕事にして」
「そしてだ」
そのうえでというのです。
「暇を与えぬ様にしよう」
「そうしますか」
「ここはな」
「それでは」
木星もそれならと応えました、そうしてです。
早速悟空にそのことが伝えられました、すると悟空は伝えた使者、神界の士官に対して笑顔で言いました。
「喜んでさせてもらおう」
「そうされますか」
「遊ぶことも好きだがな」
悟空は使者に言いました。
「仕事をするのもな」
「お好きですか」
「何でも楽しめればいい」
それならというのです。
「わしはな」
「だからですか」
「うむ」
まさにというのです。
「万歳老に伝えてくれ」
「園をですか」
「任せてもらう」
「それでは」
こうお話してでした。
悟空は園に入りました、園はその名前の通り仙桃の木の花が咲き誇っています、悟空はその奇麗さに感激しました。
「これはよい」
「桃がお好きですね」
「大好きだ」
まさにというのです。
「わしもな」
「だからですね」
「これだけ咲き誇っているとな」
仙桃の花達がというのです。
「実にだ」
「嬉しいですね、どなたもです」
「こう言うか」
「嬉しいことに」
園の世話係の役人は笑顔で答えました。
「左様です」
「そうであるな、そしてな」
「それで、ですか」
「何本あるのだ」
悟空は役人に尋ねました。
「それで」
「三千六百本です」
役人はすぐに答えました。
「それだけあります」
「三千六百本か」
「三千年に一度実を結ぶものが千二百本に」
役人は木達の詳細もお話しました。
「六千年が千二百本に」
「そして最後はどれだけだ」
「九千年が千二百本です」
「そうなっておるか」
「それで合わせてです」
「三千六百本だな」
「そうなっています」
そうだというのです。
「これが」
「そうなのだな」
「そしてです」
役人は悟空にさらにお話しました。
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