金木犀の許嫁
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第六十七話 白華のお見合いその七
「あのお家もね」
「本家筋になるのね」
「そうなんだ」
「そういうことなのね」
「石川五右衛門さんのお家が今もあることは」
このことはというと。
「事実だよ」
「私達が今接しているし」
「まさにね。それとね」
さらにだ、佐京は話した。
「伊賀には他のお家もあるよ」
「忍者のお家が」
「百地三太夫さんのお家もあるし」
「百地家ね」
「服部家もね」
伊賀忍者の中で最も有名と言えるこの家もというのだ。
「あるよ」
「今も続いているのね」
「そうだよ」
「伊賀の忍者っていうと」
それならとだ、真昼が言って来た。
「やっぱり服部半蔵さんよね」
「そうよね」
夜空は姉のその言葉に頷いた。
「あの人よね」
「それであの人のお家がまだあることも」
「何か嬉しいわね」
「歴史が続いていることがわかって」
「今もね」
姉のその言葉に頷いた。
「そう思えてね」
「嬉しいわね」
「かく言う私達も十勇士の末裔だしね」
「そうなるわね」
「本当にね」
こう話した、そしてだった。
三人は白華のお見合いの時は資料館に行くことになった、その話が整ったところで部屋に佐京達の両親が来てこう言って来た。
「今夜どうかな」
「すき焼き食べに行かない?」
こう言って来たのだった。
「いいお店あるからね」
「そこに行かないかい?」
「すき焼きですか」
そう言われてだ、真昼は少し驚いた顔になって尋ねた。
「いいんですか?」
「ああ、高いかどうか」
「そのことね」
「はい、伊賀牛ですよね」
真昼は肉はと話した。
「そうなりますと」
「大丈夫だよ、八条グループのお店だから」
「グループの社員さんと家族は割引されるでしょ」
「それに今日はそのお店は幸い開店記念日で安いんだ」
「丁度いい具合にね」
「そうですか、それでは」
それならとだ、真昼も応えた。
「宜しくお願いします」
「うん、それじゃあね」
「皆で楽しみましょう」
「幸雄さんも入れてな」
「豊さんも入れて八人になるわね」
「お見合いはまだだけれど」
それでもとだ、佐京は言った。
「彼も一緒なんだ」
「そうだ、お見合いはしていなくてもな」
「無事成功することはもう言うまでもないからね」
親として佐京に話した。
「それでなのよ」
「豊君も一緒だ」
「そうなるんだ、それじゃあ」
佐京はそれならと応えた。
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