西遊記
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第四回 悟空斉天大聖となるのことその十三
天蓬元帥はどうにもというお顔で、です。同僚達に言いました。
「我儘なことだ」
「全くだな」
「聞いていると」
「官位が低いと言って下界に戻るなぞ」
「どうもな」
「おいらも我儘にしてもな」
同僚達と共に飲み食いをしつつ言います。
「流石にな」
「それが過ぎるわ」
「どうもな」
「これはな」
「だからな」
それでというのです。
「その悟空という者に会ったらな」
「注意したいな」
「我儘を言うなと」
「その様にな」
「そう思う、しかしおいらもその下界にな」
そちらにというのです。
「行くかもな」
「そんな話が出ているのか」
「太上老君の牛の様に」
「あの白牛の様にか」
「そんな話がな」
同僚達にお話しました。
「出ているらしい」
「そうなのか」
「お主がか」
「またそれは意外だな」
「誰か行くだろうと思っていたが」
「まだ確かなことはわからんが」
それでもというのです。
「そうした話があるそうだ」
「成程な」
「では下界に行けばか」
「その時はか」
「務めを果たすか」
「そうする、おいらもな」
八戒は確かな声で言いました。
「やるべきことをせんとな」
「いかんからな」
「仮にも神界の将軍だ」
「それも元帥にある」
「それならな」
「かなり高位の神々に匹敵する力もある」
元帥は自分のこのこともお話しました。
「そのこともありだ」
「力があるならな」
「それなりのことをせねばならん」
「務めも果たす」
「そうせねばな」
「だからだ」
それ故にというのです。
「下界でも働くぞ」
「うむ、そうせよ」
「是非な」
「我等も応援しているぞ」
「神界でな」
「宜しく頼む」
こんなことをお話しました、そしてです。
元帥は神界から下界に降り立った時のことを考える様になりました、そうして食べるのですがその量はかなりのものでした。
その時捲簾大将もです、同僚達とお話していました。
「孫悟空という者だが」
「ああ、あの騒がしい者か」
「万歳老に任じられた官職が嫌で下界に戻ってだ」
「哪吒太子達が征伐に向かって退けられた」
「あの者か」
「そうだ、あの者だ」
仕事の休憩時間にまさにと言います。
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